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五話「ミケラの日 12」

「お~い、鬼決めするぞ」

 ペルタが声を張り上げ、呼ばれて子供達が集まり出す。

「いいかよく見ておけ、この赤いのを引いた奴が鬼だぞ」

 ペルタはポケットから出したガラス玉の中から、赤いガラス玉を親指と人差し指に挟んで皆に見せた。

 赤いガラス玉を木のカップの中に入れ、他の色のガラス玉も4個入れる。

「この中に5個、ガラス玉が入ってるからな。赤引いた奴が鬼だからな」

 ペルタはまた声を張り上げて皆に説明する。

 チームから一人代表が出て、木のカップの中のガラス玉を引いて赤だったら鬼と言うことだ。

「じゃ、誰からやる」

 カップを手で蓋をしてペルタは皆を見回す。

「はい、はい、わたし、わたし」

 サクラーノが元気よく手を上げて、カップに手を伸ばす。

「ちょっと待てサクラーノ、早すぎだって」

 ペルタが慌ててカップを身体で守った。

「え~~っ、いいじゃない、いいじゃない」

 サクラーノがしつこく手を伸ばすので、

「サクラーノダメ、落ち着いて」

 ミケラがタマンサを真似て、サクラーノに抱きついて落ち着かせる。 

 サクラーノを興奮させたままにしておくと暴走して体当たりしかねない。

 サクラーノの体当たりは大人数人を吹き飛ばす威力なので、子供に体当たりすれば大惨事は必定。

「う~っ、わっかたよ」

 サクラーノが落ち着きを取り戻す。

「ほらよ、先に引かせてやるから」

 ペルタもサクラーノの扱いには慣れているので、カップをサクラーノの目の前に突き出して先に引かせる。

「いいか、取るのは一つだけだからな。この前みたいにいっぺんに取るなよ」

「うん」

 サクラーノはニコニコ笑いながら返事をすると、手を伸ばしてカップの中に手を入れる。

 中が見えないように少し高めに差し出されているカップの中から、サクラーノはなんとかガラス玉を一つ掴み出した。

「・・・あっ、赤だ、赤だ」

 掴み出したガラス玉は赤かったので、サクラーノは嬉しそうにピョンピョン跳ねる。

「えっ、赤・・・いいな、いいな」

 ミケラがサクラーノに駆け寄った。

「見せて、見せて」

 ミケラは手を伸ばしてサクラーノの手を掴もうとする。

「やだ、わたしが取ったんだから」

 サクラーノがミケラの手を避けた。

「サクラーノの意地悪、見せて、見せて」

 ミケラがなんとか掴もうとするのをサクラーノは逃げ回る。

「サクラーノ待ってよ、見せてよ」

 ミケラは逃げ回るサクラーノを追いかけた。

 本当にサクラーノが逃げる気になればミケラの足では捕まえることなど出来ないのだが、サクラーノはミケラとじゃれ合いながら逃げ回る。

 ミケラとサクラーノのキャアキャアとじゃれ合う声が響き渡った。

「お前ら、いい加減にしろよ」

 ペルタの怒鳴り声が空き地に響き、ミケラとサクラーノは驚いて動きを止めた。

「お前ら、なに喜んでんだよ。赤いのを引いたら鬼だって言ったろ」

 ペルタに言われて無邪気に喜んでいた二人が固まる。

「言われた・・・気もする」

「赤いの引いて、嬉しくて忘れてた」

 二人は顔を見合わせると、

「返す」

 と言って赤いガラス玉をペルタに突き返した。

「ダメ、鬼確定だからな」

新キャラ登場です。

ペルタは遊びのリーダー格として考えてましたが、キティーちゃんは完全に思いつき。

文字数の穴埋めにあれこれ考えていて出てきたキャラです。

某仕事を選ばない先生とはまるで別猫なのです。

これからモモエルと共に絡んできますので可愛がってあげてください。


                           (Copyright2022-© 入沙界 南兎)

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