006【ネタバレ有り】戦車の調達台数【余談】
軍備というのは結構そのまま出費でしかなく、なにも生み出しません。
まあ「なにも生み出さない」という経済効果もあるらしいのですがさておき。
防衛省と財務省の綱引きで、九〇式戦車をそのままの台数一〇式戦車に置き換えるのではなく、調達台数を減らした上で、一六式機動戦闘車という軽重量の戦闘車両に置き換えると聞いた時、シンプルに「そんなことして国防大丈夫なの」と思ったりしました。
そもそも、こちらが戦車を抱える意味は、「こちらが戦車を用意していたら、敵さんも戦車を担ぎ込んでこなければならなくなり、侵攻の負担が上がる」というものです。
逆に台数を減らすということは「敵さんの負担が軽くなる」ということで、とてもシンプルに「弱くなるじゃん」と思いました。
でも、実際に小説を書くに当たって色々検討したら、防衛省もただ引き下がったわけではないんだなあ、というのが今回のお話し。
徹攻兵は戦車に相対する戦闘単位なので、作者としては半ば当然のように戦車に登場してもらいたく、いろいろ考えました。
で、敵性戦車にご登場頂くシーンを描いたのですが、その、ひとことでいうと「動けない……」。
作者本人はヒキオタに属する種族なので現地に出向くほどフットワークは軽くないのですが、今時はグーグル先生のお陰でいろんな所の風景を確認できます。
伊能忠敬の時代は地図情報なんて重要な軍事情報でトップシークレットだったはずなのに、なんなら異国の地形ですら把握できます。
シロートが趣味で侵攻作戦をイメージしてみることもできるわけで、大変ありがたい話しです。
まあ、平和だってことですね。
実際に地図を見て、「そもそも上陸できるならここだな」と想像したところに、想定通りの記念物があったりして、「うん、まあ、着眼点は間違ってない、のかな」と納得したりしました。
そしてストリートビューや3Dビューで地形を色々みるのですが、その、この国海の隣がすぐ山で、しかも樹が多い。
邪魔なんですよ、シンプルに。
そもそも「ほうっておくと森になる気候」というのも、古代から恵まれた環境ではあったようなのですが、こと戦闘車両が進むことを考えるとほんと邪魔。
戦車とはいってもブルドーザーじゃないし、ブルドーザーといっても樹木をなぎ倒していけるわけはないし、ほとんど道路しか走れません。
まあ、作者は軍事の専門家ではなく、しょぼくれたおっさんなのでどこまで正しいのかはわかりませんが、「なるほど、北の大地をロシアからの侵攻に備えて守れるだけの数が揃えば、他は装輪装甲車の方が素早く展開できてよい、という見方も成り立つのか」と思った次第。
なにもごともバランスは大事ですが、防衛省も「ぐぬぬ」ってしてただけじゃないんだなあ、と感じたエピソードでした。
もし、お気に止まりましたら↓本編をご笑覧ください。
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