バイオリズム
これは、ただの妄想ですので、誹謗中傷や罵詈雑言を書こうと身構えている方がもしおられるなら、そっとその振り上げた手をマウスの上に置いて、ブラウザバックをしてください。
私が考えたこの世界のことについて、君に教えよう。
ただ、これは妄想、戯言、おとぎ話のようなものだ。
この物語に信ぴょう性も真実も、根拠も証拠もない。
これは、私の想像の世界だ――――――――――――
世界には、シナという大国があった。
そこはとても大きな国で、民が一番に考えられることはない。国そのものが一番になることが重要と捉える者たちで作られた大国だった。
自由を唱えれば捕まり、抗えば抹殺される。
ある意味では、クリーンな社会構造と言えるだろう。
人々は国に怯え、国に抗うことは許されず、決められた枠組みの中で生活を余儀なくされていた。
そんなある日、とある研究施設から研究中のウイルスが漏れ出した。
国のため、世界のためにと研究していたはずのウイルスは、空気感染し動物に移っていった。
その研究施設は森の中に建てられており、周囲は裕福とはいえない層の人々が毎日を暮らしている。
貧しい地域では、小動物も人々の食料となりえる存在で、感染した動物を媒介に人へと感染……。そうして、シナの国では次第に未知のウイルスが広まっていったのだ。
シナの国の人間が世界各地へと散らばり、ウイルスは公表されないまま、その根を広げていく。
ウイルスは人間の呼吸器不全を起こさせ、最悪の場合は肺炎などで命を落とす脅威となるものだ。
研究施設から漏れ出た日から数ヶ月後、そのウイルスの存在は世界各地で報道され始めた。
数人、数十、数百……。感染の速度は異常な早さで拡大、世界は鎖国状態という形をとり、外からの受け入れを制御することで、自分自身の民を守ることとした。
そうした報道から数ヶ月も経たないうちに、他のウイルスとは比べ物にならないほどにウイルスは蔓延していく――――――驚異的なスピードで…………――――――
人々はその大元となるシナの国の研究施設を調査しようとしたものの、シナの国はそれを阻止し、誰も近寄らせないように厳重な警備体制をとった。
結果、そのウイルスがどこから現れたのかは、本当の事実は世界から隠ぺいされている。
真実は闇の中へと葬られた。
調査するために送り込まれた人たちが、研究施設へと足を踏み入れたのは一年半も経過した頃……。証拠と言えるものが存在するはずもなく、調査団は数日後に帰国した。
私としては、その調査団自体も、信頼のおける者たちだったのか不明。
もし、調査団の者が研究施設……いや、シナの国の上層部と繋がっていれば、事実などうやむやに出来るだろう…………。
さて、ウイルスの世界的報道から一年と半年が経過した。
一部の国ではワクチン開発も終わり、ワクチンの提供まで始まっている。
ワクチンを打っている国では、ウイルスに対する抗体を手に入れ、ようやく日常を取り戻しかけている。
ワクチンを打たない人々は自制心を促されたが、抑えつけられることを良しとしない人々は、自由を謳歌した。
自由を大義に、人々は他人に掛ける迷惑を良しとしていることには気がつかなかった。
そうして、一年後に収まりかけたウイルスは、変化しながら人々の間を飛び交っていくのだった……。
私は考える。
それは本当に「ただ、研究施設から漏れ出ただけ」だったのかと。
通常のワクチンの開発には最低でも五年はかかると言われている。
しかし、シナの国や他の大国では一年以内にワクチンを作り上げた。
効果のあるものを作ることに成功した。
あまりにも早すぎる対応、開発能力……。
これは、予期されていた事態だったのではないか。
シナの国では、感染者数が激減した。ゼロという日も続いていた。
しかし、毎日のように報道される感染者数など、政府の力によってなんとでも言える。
もし、仮にシナの国と他の大国が手を組み、ウイルスを蔓延させ、ワクチンという形で世界から多額の金を集めることに成功し、口角をあげていたとしたらどうだろう。
大国となりえる発展途上国をウイルスで抑制し、ワクチンという恩を売り、将来的なヴィジョンで発展途上国を我が物とせんとしているとしたらどうだろう。
これは憶測にすぎない。一個人の意見であり、妄想でしかない。
ただ、もし、これを書いてから、私が生きているという確証がなくなれば、それはこれが事実だという証拠になりえるだろう。
これが、私の考える想像の中の世界の真実だ――――――――――――
まぁ、でも、本当にどこからこんなに広がったのか。
気になりますね……。