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オタクOLの異世界見聞録  作者: 塩焼 やまめ
2/4

オタクOL、美男美女に囲まれる

2022/4/3 全編改訂しました。残りの3,4話も随時改訂予定です。(消したいけど、やり方が不明…)やまめは更新亀ですが、応援お願いよろしくお願いします!

はい、どうも!西山アリスです!前回までのおさらいをするぜ!変なチャラ男に突き落とされたオイラは異世界にやってきた!

そして、推しになりそうな気配のする女の子と狼に連れられて一瞬で別の場所に来たぞ!さらに、執事風のイケメン(これまた推しの雰囲気)になんか人間のいない世界とか言われちゃったぞ!

きゃぁぁ!これから私どうなっちゃうの?(ちょっと前の少女漫画風の絵柄)

以上!


 現実逃避はさておいて、昨今どハマリしてた異世界物に自分がなるとは思ってなかった。いや、来た時点で、出会った女の子の衣装に最高とか言ってた私は既に現実逃避してたんだな。うん。

あ、でも、ちゃんと、現実を確認してたぞ。現実逃避ばかりしてなかったぞ。

 「四代目のお時間は大丈夫か?」

「あぁ。もともとPrincesse(お姫様)から聞いていたからね。彼女の言うことなら素直に聞くんだよね……主は……」

ため息をついた青年、それに相槌を打つように女の子は大げさに肩をすくめた。


 ちらっと聞こえたけど。四代目?主?

え、もしかしなくても……私、お偉いさんに会うの??え???

▼西山 アリス は 混乱 している!

RPG風にふざけて現実逃避をしていたら、金髪のイケメンに現実に引き戻された。


「さ、着いたよ。主、入るよ」


 丁寧にノックし開けた扉の先は、部屋ではなく木漏れ日が落ちる森の中。

(高級そうな見た目の、否確実に高級品の)椅子やテーブルがセットしてあり、お茶会を開くのにちょうどよさそうだ。

その近くにはロッキングチェア(こいつも絶対高級品)に腰かけている精彩を放つ人物。長い艷やめく黒髪をハーフアップにまとめ細かな装飾が施された髪飾りが輝く。来客を察知し開かれたその双眸には、アメジストを彷彿とさせる神秘的な紫色の目。黒を基調とした着物のようでそうでないお召し物(いい表現が思いつかなかった)。


その様子を見て、金髪の青年は驚いたように声を上げた。

「うわっ、主、寝てたの?」

その発言を聞いて青年を不機嫌そうに睨む人物。

「寝てねぇよ。5分ばかし目を閉じてただけだ」

 声は男性だった(若い声。イケボだぞ!聞いたらお耳が溶けちゃう)。オラに視線を向けるとわずかに驚いたように目を開いた。

「あー、それが()の?」

「……」

私を最初に見つけてくれた女の子は、ととっ、と美丈夫に近づくと首を静かに横に降る。狼はついていかずその場で待機している。

「ん、違うのか。そうか。いい子だな」

柔らかく笑う美丈夫。女の子の頭を優しく撫でる。そして、女の子の耳元で何か言う。

 このシチュエーションを見て私は何を思ったか。それはだ。尊い!!!叫ばなかっただけ褒めてくれ。

え、いや、何で?だって???聞きたいか??オタクの語りを聞きたいのか??いいだろう!思う存分この尊い場面について語ろうじゃないか!!


 読者の皆さんに語りだす直前で現実にまたもや引き戻された。

「その着物と、中華の、混ざったやつ、着るなんて、珍しい、ね」

女の子が喋った。というか着物と中華が混ざったやつってなに。

「あー、そいつが今いつも着てるの一昨日洗うっつって追剝にあってな。しぶしぶこれ着てる」

「いや、主。あの時もう一週間寝ずに働いてたでしょ?ていうか俺に言われる前に、着替えは自分でしてよ……もー……」

やれやれ、とため息をつく青年をまたもや睨む美丈夫。

おおっとこの美丈夫、ワーカーホリックの気があるな。そして?金髪の青年がお世話をしている。金髪の青年は美丈夫に生活改善を促すが、対する美丈夫は改善しない。

そしてそんな二人を見て、女の子はどうしたらいいんだろう、ってなる……。

うん。おいしくいただけるな。はぁぁ尊い……。

「で、忘れてた訳じゃないんだが、君は落っこちてきた、であってる?」


 唐突に美丈夫に話を振られ、目の前で広げられていた尊いにあふれる映像から現実に引き戻ってきた私は返事の声が裏返った。

「ひ、ひゃい!お、落っこちてきた、のはじ、事実です」

「はは、緊張するな。別にお前を取って喰おうって訳じゃないんでな」

美丈夫は悪戯っ子のように笑う。似合うな、畜生!!!

イケメンでいたずら好きとか!!オラの推しに確定されましたよ!!あ、もちろん女の子も狼も青年も推しに確定してますけど何か?

「は、はい……」

脳内大フィーバーをしていたので、あいまいな返事しか返せなかった。

否、推しを前にしたら語彙力が溶けるのである。オタクとはそういう生き物なのだ。

「この子が、お前は何か異質だ、と言っていたが納得したな」

「え?」

美丈夫はゆらり、と立ち上がる。立ち上がった際に女の子の頭を撫でるのを忘れない。

くっ、なんて場面だ。誰か録画してくれ!

「お前は、役割を与えられた、と言うことだ」

顎をすっと持ち上げられた(顎クイされてた)オラの目の前に、国宝?いいや世界の宝ともいうべき美丈夫の顔があった。


 まつ毛長っ。エクステ……いいえ、このお方にそんなものは必要ありませんね。はい。透明感のある日焼けの知らないお肌、美しい紫の目を赤いシャドウ(赤いといっても後日お聞きしたらボルドー系のお色でした。その話はまた今度)がよりその美しさを際立てている。

なんといってもその口許。桜色の口紅がよりお顔を綺麗にしている。

 顔が熱くなっていく。その様子を見た美丈夫が少しおろおろした。

「ええっと……?大丈夫か?」

(おう)(げつ)、自分の、顔の良さ、自覚するべき、じゃない?」

呆れたような女の子の声。

櫻月様とおっしゃるんですね!ええ!そのとおりですとも!このしがないオタクには、あなた様の顔は眩しいのです!目、目が!目がぁぁぁっ!(某名作アニメ映画風)


 女の子の発言に困惑する櫻月様。そのまま女の子に振り返り、

「??(みず)()にも言われるんだが、なんのことかさっぱり分からん。何だ、顔がいいって。いたって普通だろうが」

とおっしゃった。そのお陰でオタクの目は瀕死で済んだ。尚無事ではない。

「いや、そういうところだよ、主……」

青年も苦笑混じりにそう言う。いや、あなた方も大概に顔がいいんですよ。

このしがないオタクには眩しすぎるんだってば。ねぇ、わかる?皆様。


あと櫻月様。麗しき日本の某歌劇団のように麗しいお方よ。(なお歌劇団に関しては友人から勧められた。おいでよー沼だから!って言いながら引きずまりこまれましたわ。)

いつまで平凡なオイラを顎クイするんですか。羞恥で死にそうです。

「話を戻して、君は"傍観者"として呼ばれたんだ」

「ギャッ!!ぼ、傍観者、ですか?」

「え、叫ぶようなことなんかあったか?ま、いいか……。君はこの“中央”の傍観者に選ばれたんだ。もともと、ここは“人間の傍観者”の場所だからな」

……人間の傍観者??なんのことだ。さっぱりわからない。それに、噂って。

「噂についてか?」

狼にそう聞かれる。

「く、口に出してましたか……?」

「あぁ。思い切りな」

クスリ、と笑う櫻月様。

「まずは、噂から話していこう。多分、そこの金髪から聞いただろう。ここは人間のいない世界だ。まずもって、人間は……、厳しい言い方をするが、ヒエラルキーの一番下なんだ」

 ちゃんと一から説明してくれる……。神様かな。

「そんな世界に、ついさっき、官吏から報告を受けてな。やかましい人間が落ちてきた、と」

はっはーん?うるさかったかね、オラ。(心の声がうるさい自覚はある)

「それと同時に、この子から落ちてきたという人間を保護した、と報告を受けた。だから、つい、君が噂の煩い人間、かと思っていたが、どうも違うのでな。つまり、二人の人間がここにはいる、ということなのさ」

「わ、私以外にも、人間がいる、ということ、ですか」

「あぁ、そういうことだ。だが、僕らが保護しなければいけないのは君だけだからな。もう一人の人間はどうなっていることか知らない。そのうち、僕のところに報告が来るだろう」

……私は、もしかしたら、とんでもないところに来たのかもしれない。

「それで、だ。ここはさっき、中央、と僕はいっただろう?」

そうでしたね。頷きを返す。

「ここのほかに、東西南北に管轄があるんだが、そこに一つずつ“傍観者”が配置される」

ふんわり、と周りに地図のようなものが浮かぶ。

「傍観者、は地区ごとに担当種、が違う。東は竜人、獣人族、西は獣人族、妖精族、南は鬼族、鳥人族、北は玄武の一族のだれか、エルフの者だ」

「決まっている、のですか……?」

「あぁ、それを決めたのは僕ら一族じゃないし、もっと“原初の役割を持つ者”さ。だから、どの世界の誰がそれに選ばれるのかは、僕らでも知りえない。決めた後、それぞれの統括者に連絡がいく仕組みだ。君は、その役割もちに選ばれたのさ」


 「そ、そうなんですか……」

「あぁ。本格的な内容に関しては、場所を管理している奴に聞いてくれ。正直なところ、僕ら一族はあまり教えられていないんだ」

「わ、わかり、ました……」

「そんなに緊張しないで、マドモアゼル。ここでの生活は俺たちが保証しているからさ」

「あぁ、君が住んでもらう予定の長屋は人間に対して友好的だ。それに、部屋の物についても、自分の住んでいた部屋を思い浮かべてもらえば、その通りになるぞ」

魔法じゃん!!!

「まほうじゃん!!!!!!」

「あぁ、ここは魔法もあるからな」

さらっと、狼に流された。渾身の魂の叫びだったのに。


 「しかし……、まだこねぇのか、あいつは」

イライラしたように、櫻月様が言う。それに対して、クラムさんと女の子は苦笑いを返す。

「どうせ、また、へんなもんに、ひっか、かって、いるんじゃ、ない?」

「ほ、ほら、あの方は……と、特殊、だからね……」

 そして、それと同時に、扉がすごい音を立てて開いた。

「わての、尊いメーターが反応しとるで!!!!!今度は何をやらかしたんや櫻月!!!」

 大和なでしこが大声でそう叫んだのだ。


 オラ、この世界で生きていけるのか……?


読者の皆様方、こんにちは、または、こんばんは。塩焼やまめです。連日で2話投稿するのもどうかと思うかもしれないですけど、やっちゃいました。細々書いて行くんですが、ネタがあったもので……。全体的にコメディ路線で頑張りますよ(予定では……)。余談ですが、西山アリスはオールジャンルのオタクです。やまめが偏食型のオタクなので上手く行くかわからないけど、暖かく見守ってください。

次話投稿も応援してくれたら嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 共感できる点が(オタク故の)増えてきてストーリーにより引き込まれるようになりました! 特に後半のオタ活までの流れはもう首を縦に振るしかない勢いで共感できて面白かったです! 続きが楽しみ。…
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