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オタクOLの異世界見聞録  作者: 塩焼 やまめ
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オタクOL異世界召喚?!

とある島国のとある場所。季節は秋。寒くなって、焼き芋とか肉まん、おでんが恋しくなり始める季節だ。

 そんなたいそうな言い方しなくてもいいんですけどね、はい。

 読者の皆様おはようございます、あるいはこんにちは、あるいはこんばんは。

 初めましてですね。(そりゃそうでしょ)私は西山アリス。25歳。社会人3年目で彼氏いない歴20…やめよう。やめよう。


 至って普通の会社に可もなく不可もなく仕事をこなすOLしてます。だが、お話を進めるうえで伝えておくことがある!


 そう。私が重度のオタクであることだ。漫画、アニメだけではない。舞台、美術館、歴史、美容、ファッション、料理などなど。観戦も好きだ。(なお、運動音痴のため見る専だ。)どんなことにも萌ポイントを見つけられるのが長所だ。

いかなる情報は知っておいても損はしない。知らないふりより知ろうとすること、が座右の銘だ。(なお後半は趣味に限る)

コスプレから友人の同人誌の売り子まで。スマホゲームの推しから3Dの推しまでなんでもござれ。漫画や小説のジャンルとしては異世界ものにドはまりしてる。

 推し活するにはお金がかかる。こうやって働きながら推しに課金しているんですわ。

でも、お金が必要だからって体壊してまで働くのはダメだぞ!お姉さんとの約束だ!


 と、まぁ、オタクしている私だ。会社終わりに予約してある異世界ファンタジーの漫画を受け取って、それを晩酌しながら読もうと思ってたんだ。

 駅の帰り道、地下鉄に入ろうとする階段の手前でとめられた。人生初ナンパは何語かわからないナンパだった。おそらく外国人。青年は何かをまくしたてている。青年、というより、チャラ男。あ、これ、警察案件か?

アルカイックスマイルを保ち続け、あまり話を聞かない。(そもそも言語がわからない)オラ、忙しいんだよ。チャラ男に構ってる暇はない。予約した漫画の限定版の特典開封の儀があるんだよ。あと『マジカル☆異世界ライフ』のBDも待っているというのに。

 チャラ男は逆切れしてきた。いや、まず、お互いに言語から歩み寄ろう?


 突き飛ばされたのには、驚きで、体が固まった。

 下は階段だった。あ、死ぬ。とっさに目をつぶった。


 そう思った。だけど、背中の感触は固いコンクリートの地面じゃなく、ちょっと柔らかい。その背中から土臭い香りがした

 空は一面の青。雲一つない快晴。穏やかな風が吹く。

痛む背中をさすりながら起き上がってみると、菜の花、芝桜などの春の花々が咲き誇っていた。

「え…ここ、どこ……?」

 


 ところ変わって、アリスを突き飛ばした現場へ。

 青年は思わず舌打ちをした。階段下にいるはずの女がいない。姿()が(・)消えた(・・・)。

「なんで、なんでうまくいかねぇんだよ……!あいつを亡き者にすれば、もっと動きやすくなったのに……!くそ!仕方ねぇ!あっち(・・・)に捕獲される前に、俺が捕まえないと……!そうしないと、父上に認めてもらえない……!」

 周りの人間は誰も気づかない。否、気づいて(・・・・)ない(・・)。そのまま解けるように姿が消えた。



 さて、オラのいないところで不穏な空気があったみたいだけど知らねぇぞ!話を戻そうじゃないか!

 はぁぁぁぁ……死ななくてよかった。生きてるわ。頬をつねっても、痛い。

コンクリ地面にぶつかってたら……。今思うとぞっとする。

結局あのチャラ男が何言ってたのかわからない。オタクのオラだが英語、中国語、韓国語、フランス語ならできるぞ!できるようになったきっかけ?そんなの決まってるだろ!

推しのためさ!(※尚中国語と英語に関してはお仕事上必須だったので習得してます)

まぁ、あのチャラ男の言語は宇宙語とでもしておこう。


いや、ちょっと待て。現実逃避をしている場合じゃないのよ私。

さぁ私よ、私が落ちたのは階段。でも、ここは天国かと思うような美しい野原。

……異世界召喚?あれか。『マジカル☆異世界ライフ』みたいな?

いやこの手の話大好物ですよ。はい。でも自分が体験するとは思ってない。


「……なんか落っこちてきたと思ったら、君、だあれ?」

 柔らかな、少し低めの、女性の声。声の主を探そうと後ろや左右を見渡すがいない。

「あっはは、見当違い、見てるところが違うよ。こっち、上だよ」

 声の主は、存外に子供っぽいな、という印象を持ちつつ上を見ると。

「Boo!!」

「っ!!!!????」

 金髪の女の子が木からぶら下がっていた。けらけら笑う女の子は不思議な格好だ。首まである(スポーツ選手とかが着るコンプレッションタイプだ)黒いインナーを来て、平安時代の狩衣みたいな感じの服を着ている。狩衣なら足元も和風だろう、と言われると違うのである。それこそ、袴のようであるが、靴はアーミーブーツ。しかもロング丈。


 一言言わせろ。世界観わかんないけど、君、よく似合ってる!!!この服を考えた人天才かよ。これは推しの気配だ。この和洋折衷(?)風な衣装にパンクなデザインをあわせている。あっているかは不明だが、オラ的には甘辛ミックスってやつだな!

 女の子は手袋(黒いタイプで指先のカバーのついてないやつだ)をした手でポニーテールにした髪をまとめると、ふっ、と姿が消える。

 ん?ぶら下がっていた、って私は認識したけど、どうやってぶら下がってたの??

「足首、引っ掛けてたんだよ?」

 まるで誰でも出来るでしょ?と言わんばかりの声が返ってくる。桜の木から、忍者のごとく飛び降りてきた女の子は、不思議な紫陽花色の目をしていた。

「主様、お気をつけを。こやつ、人間ですよ」

「あれぇ?そう、だっけ?それにしちゃ、変な感じぃ」

「異質、といえば、そうですが……。人間であることにかわりはありません」

 何処からともなく、真っ白な狼が現れた。しかも、でかい。降りてきた女の子なら余裕で載せられるくらいでかい。

ていうか、喋った!うおおおおお!ファンタジー!ファンタジーの世界だ!

「あー!!!思い出したぁ!」

「何がです?」

「前、お姫様、いってた。役割もち、来るって」

「あぁ、あの御仁が言うのでしたらそれかも知れませんね。では尚更報告をせねばなりますまい」

 神妙な面持ちで狼はいう。なんだろう。信託みたいなのが下りてたのかな。となるとこの子は巫女みたいな存在なのかな。


 とはいえ、事実の確認をしなきゃいけない。意を決していくぞ!

「あ、あのう」

「なんだ人間。手短にしろ」

 狼、手厳しい。

「こ、ここはどこなんですか?私、駅の階段から突き落とされたんです……」

「……それは後で話す。まずはここから即刻出てくべきだな」

オラの勇気を返してくれ。ていうか報告??

「それはそうかもね。あ、僕はここから出ると喋らなくなるけど気にしないでねぇ」


 あ、君、僕っ子なのね。お姉さん、そういうの大好き。似合ってるよ。うんうん。

「足は捻ってないでしょ、ほら、立って。歩くよ」

 手袋した手を差し出される。手首がちらりと見える。長袖のインナーと手袋のスキマがやばい。(コンプレッションの奴でも袖ありの着てたんだな、うんうん)唐突に語彙力が消えるのは、オタクの特性だと思ってくれ。

「あれ、今日は、いるかな?」

「先程、確認しました。今日は大丈夫かと」

「そーなの。あの、鬱陶しいの、どぉにか、ならないかなぁ?」

 何か不穏な話だな。いや、突っ込む勇気はありません。ただ、可愛い女の子とちょっぴり怖い狼に連れられていった。


 あれ?何で、あの子、片言なんだろう?


 「あ、ちょっと、待って」

「??」

女の子は唐突に自分の目を黒い布で覆い、さらにその上から何か模様のある白い布を付けた。

「ほら、いくよ」

 え、それ見えてるの???お姉さん、道わからないから、ぶつからないで。その可愛い顔に傷入ったら、親御さんに怒られちゃうでしょ。

「……人間、何考えてるんだ……」

呆れたような、なんとも言えない表情を見せた狼。


 女の子が何もない空間で指先でサッカーボールくらいの円を描く。

『はいはーい、開門ね!お待ちを』

軽い男性の声がしたと思うと、プログラムみたいな感じに目の前に豪奢な門が現れた。

『何時でもどうぞ。四代目には話を通してあります』

ブツ、と音声を切る音が聞こえる。

女の子が手をかざす。それだけで、重厚な音を立ててが門が開く。

 中華風なのか、和風というべきかわからない部屋にいきなり入った。

 その部屋で待っていたのは、金髪碧眼の青年。燕尾服を着ていかにも執事、といったような格好だ。うわ、イケメンだ。

「あ、それが噂の?ふふ、なるほどね」

私を見て彼は目を細める。そして、恭しくお辞儀をした。

「ようこそ、人間以外が住む世界へ、人間のお嬢さん」

 


 オラ、異世界召喚は異世界召喚でも、かなりやばいところに来た???


読者のみなさんこんにちは!またはこんばんは!塩焼やまめといいます!今回、初めて小説を投稿させて頂きました!オタクOLのアリスに共感してくれるかな、と勝手ながら思ってます。ポツポツ続きを投稿していこうと思ってます。そっと応援してください……。

え、なんで塩焼やまめなんて名前だって?名前考えたとき、塩焼きの気分だったんだ。

2021・11・26 大幅加筆修正しました!ぼちぼち続きも加筆修正します!

ちょっとやまめ本人にいろいろありまして、まさかの更新一年くらいたっちゃいました。色々落ち付いてできるようになってきたので西山アリスと駆け抜けるつもりです。応援よろしくです!

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