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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
97/144

好きなものには饒舌で

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 カルちゃんをつかまえるクエストは、僕達のコックの給与の一年分は軽くあった。

 それだけ貴重なクエストだし、難しくて危ないってことは覚悟する。


「この討伐、ヒーラーのリオナがいないから怪我しないように慎重に」

 樫木に言われて、僕は石膏から耐火ボードを錬成した。

 強度は強くないけれど、熱には強いから咄嗟の炎を防ぐことができる。

 カルちゃん対策だ。


 盾のような形状したので、カルちゃんが火を吹いてきたら、

これでガードすればいいと、和木と樫木に持たせていた。

 リオナの分も作っていたけれど、樫木が彼女を連れてこなかったので、

僕は守り専門で、盾を二つ身につけることにする。


「言っとくけど強度はないから。人の手のパンチぐらいで割れるほどの石膏ボードだって思っといてね」

 僕は言った。


 他のパーティは、剣とか盾とか、ちゃんと武具を用意しているようだったけど、僕達は剣は和木の日本刀だけ。盾は石膏で作った耐火ボード。

 挙句に術師ではなく、陰陽師一人。


 なんだかちゃっちいパーティだが、チーム異世界転生、ここで賞金稼ぐ気だし、僕はカルちゃんの正体を突き止めたかった。


 出没する地点はキコアイン一族の首都パラサンを出て北に数里進んだ山間にある洞窟の中だ。

 洞窟なんて、いよいよそれっぽいダンジョンではないか。

 僕は興奮していた。

 装備はちゃっちいけど、リアルのアニメキャラを体験できる。


 未知の体験に嬉しくなって、僕は異世界転生系のアニメの話を和木と樫木に語り続けた。

「異世界系で好きなのは主人公がスライムになっちゃうのとか、ほら兄弟がいっぱいいいるのとか、あとさダンジョンのもいいよねぇ」


 え? 見てない?

 面白いんだ!

 ここじゃアニメ見れないから、僕ストーリー話すね。


 オタクって好きなことになると、なんでこう早口でまくし立てちゃうんだろ?


 好きなことは語りたい、共有したい、それが普通。


 この時、和木も樫木も微妙な反応をしてたけど、僕は遠方へ向かう旅の途中、ひたすら異世界転生もののアニメを紹介した。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年11月11日


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