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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
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カルシファー

気ままに投稿してます。

お付き合いよろしくお願いします。

この一族は電気がない。

明かりはランプ、蝋燭、蓄光の石。

それから炎の低級精霊だった。


この最後の低級精霊っていうものが僕にはピンとこない。

よく墓場で火の玉を見たとか、大騒ぎする人もいるけど、

あれだって結局科学的に証明できる現象だ。


昔は土葬が多かったから、土葬した遺体が腐敗し、メタンなどの腐敗ガスが発生して、それが自然発火したと考えればいい。

 それが証拠に、火葬になってからはめっきり火の玉は見なくなった。

 山間だと動物の死骸も多いから、僕だってこの目で見たことがある。


 そういった化学現象を精霊って呼んでいるだけなのでは?

 僕は懐疑的な立場をとっていた。


 それなのに今回のクエストが、火の精霊を捕獲すること。

僕のアニメ好きな知識で考えれば、「〇〇〇の動く城」という某有名なアニメ映画に出てくる、カルシファーが有名なんだけど。


そいつがイドゥス大陸で出没しているらしくて、それを捕獲してくるってクエストらしい。

ああ。頭が痛い。

そりゃ異世界転生までしちゃった不可思議な状況じゃ、多少の摩訶不思議は起こってもしかたがないんだけれど。

 何かカラクリがあるんじゃないかって考えてしまう。


 樫木はこのクエストを引き受けてきた。

 明かりの対価は高額だそうだ。

 捕まえて買うと、LED電球並みに持ちがいいらしい。


「おまえらも一緒に行かない?」

 樫木は言った。

「行く!」

 僕は謎の生体を知りたくて、一も二もなく返事した。

「和木君も行くよね」

でもちょっと怖かったので、和木の袖を掴んで和木を巻き込むことにした。


 だってさ。

 樫木はやっぱりあんまり頼りにできない気がするんだ。

 クエスト中、不意にお経みたいな呪文唱えたり、指を空中で縦横にきってみせたり、マジックかと思うような指の動きを披露してくれたりするんだけど。

 何もいないところでいきなりやるから、なんか変なパフィーマーみたいで。


 それは僕が見えないからだって、最近知ってしまったんだけど。

和木と樫木に見えて、僕には見えない。

僕の眼鏡は偏光レンズでも入っているのかな?

異世界の不思議に向かい合いたかった。


「オタクの青春は異世界転生」:2020年11月9日

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