ロードバイクVS電動機付自転車
気ままに投稿しています。
自由な小説ですが、お付き合いよろしくお願いします。
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「ちょっとコウ、なんで樫木君の家に行くのに、自転車なのよ!?」
わかってる?
高野山って標高高いんだけど!
明日樫木の実家に行ってみることが決まるなり、
コウはロードバイクを引っ張り出した。
日頃はクロスバイクを乗っているのに、ロードの整備をし始めたってことは、そいつで山を登るつもりだ。
青いスコット。
スピード出したい時に彼が選択するバイクだった。
「姉ちゃんは電車で来ていいよ。でも俺、樫木と登る約束したから、彼の家に行くときはこいつじゃないといけない気がする」
気持ちはわかるけどね、ここ岩出なのよ。
高野山登る前に力尽きるでしょ、普通。
「姉ちゃん、大丈夫。俺体力馬鹿だから。ーーそれになんかさ、今体動かしてる方が、心楽だし……」
寂しそうに笑う。
あんたね、そんなメンタル今にも壊れそうって顔見せられて、一人で自転車で走らせられるわけないじゃない!
どっかで車にひかれるか、落車して大怪我するに決まってる。
絶対に一人で行かせられない。
かといって互いに高校生。
親がいなきゃ車なんて運転できないもんね、免許ないし。
「心配しないで」
モンベルのリュックにエナジーバー詰め込んで、給水用のボトル用意する弟に、アイは言った。
「いいわよ。じゃあ、あんたのクロスバイク私に貸しなさい!」
コウが口をあんぐり開けて、絶句している。
「姉ちゃんが自転車!?」
その、無理だろ絶対みたいな反応はなんなのよ。
「乗れるわよ、自転車ぐらい」
「はぁ? 自宅から高校までだって、自転車で行けばすぐなのに、わざわざ時間かけて、遠間ありして、電車通学してる姉ちゃんが?」
「それは通学時間、本を読みたいからよ。私の愛読書がKindleで出ていて、イヤホンつけて2倍速読みで聴けるんだったら、自転車でもいいのよ」
大衆に受ける本ばかり、Kindle化しやがって。
専門書はまだまだ音声読み上げ機能微妙だし、漢字読み間違えるしね。
「もっとこの世の中進化したら、私だって自転車で通学するわ」
「そんな体力ないでしょ? 運動してるとこなんて、生まれてこの方見たことないけど……」
弟のくせにどこまでも失礼なやつだ。
「そうよ、私はあんたみたいに体力も筋力もない。でも知力と行動力は一級品なの。だからあんたのクロスのジャイアント、今から電動アシストに改造してやる」
1日だけの山登りなら、簡単な改造でできないことはない。
「あ、サドルは悪いけどちょっと切らせてもらうから」
「ええ!?」
「だってあんたの股下と私の股下じゃ違うでしょ。気に入らないなら、またサドル買い直して」
男の友情かな何かを選択するなら、サドルぐらい大したことないでしょ。
今から自転車改造するこっちの労力に比べれば、大したことないはずだ。
悪い笑みが浮かぶ。
せっかく文明の力を使って改造するのだ。絶対にコウに前を走らせないチャリを作ってやる。原付のリミッタなんて知らない。電動アシスト自転車のリミッタなんてもっと知らない。
人間の身体能力なんて、知力絞ればチョチョイと凌駕してやることができる。
アイはガッツポーズをとった。
「オタクの青春は異世界転生」:2020年11月8日
ロードバイクVS電動機付自転車
これには私も迷ってる。
でも今の社会だない電動か?
でもロードは軽くて楽しいぞ。
やっぱり使い分けかな、と思う今日この頃。