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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
79/144

乙女座同士

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 僕達が他界した世界で、僕と和木が従兄弟だったなんてこと、

この先も僕たちは気付くことはないだろう。


 ただちょっと思ったのは名前の不思議だ。


 和木、樫木、森。

 僕たちの名前には全部「木」の文字が入っている。

 単なる偶然たと思うけどさ。


 こんな偶然って結構世の中にはいっぱいあって。

 例えば、僕の父のマキちゃんの弟の奥さんの名前も、

僕の母さんと同じルイさんっていう。


 単なる偶然。


 後、僕の家の前に住んでいる、僕と同級生の男の子、

森利伸って名前で、僕と一文字ちがい。


 これも単なる偶然だ。


 あと、クラスメイトで親しくなったやつと、

誕生日が同じだったり、近かったり。


 偶然は偶然を呼ぶんだ。

 そして僕は文字や数字が、人の運命を引き寄せること、

あるんじゃないかって思ってる。


 科学好きだから、ほんとは否定したいんだけれど、

統計をとれば、何か関連性を持った名前や数字の人が、

多くより集まってる仮説を検証できるような気がしていた。


 僕達は電気信号を発しているから、無意識下で通じているのかなって、勝手な憶測をしているんだけれど。


 僕と和木は調理場に座り込んで、スパイスの仕分けを始めていた。


「毒と食材を一緒にしておくなんて、危なすぎる」

 和木は憮然と言いながら、作業を続けている。


「和木って誕生日いつ?」

「あ?」

 くだらないことを聞かれたとばかりに眉根を寄せ、「こっちの世界まで来て誕生日なんて意味ねぇだろ?」と言う。


 確かに僕達、多分死んだんだろうしね。

 とすると、こっちに来たその日が誕生日で、

同じ日に生まれ変わったってことかな。


「僕前の世界じゃ、9月6日生まれ。和木は?」

「9月13日生まれだよ」

 一週間違いか。

「樫木にも聞いてみたいな」


 つぶやいた僕に、和木はため息をついた。

「ーー乙女か?」

「うん、君と同じ乙女座だ」

 違う意味で揶揄されたのはわかっていたけど、

平然と僕は返答してやった。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年11月1日

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