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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
72/144

新しいスキル

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

※ 


僕は人の考えてることを慮るのは苦手だ。

 でも今和木が考えていることは、はっきり言い当てることができた。


 米がない!!

 ご飯がない!!

 カレーライスなのに、ライスがないんだよ。


 小麦のような粉物はあった。

 でもライスがないんじゃ、カレーライスは半分しか成立しない。


 てことで、僕たちは一瞬顔を見合わせた。

「しょうがない、ナンでもつくるか?」

「だよね。ここにきて僕たちが主食にしてきた米がないなんて、考えもしなかった」

「意外と鯨もどきカレーなら、ナンの方がマッチするかな」


 ここで思い当たるのは、パン作りには欠かせないベーキングパウダーがあるのかってことだ。

 ベーキングパウダー、食用重曹なんて、僕たちの世界じゃどこでも手に入るものだったけど、


 重曹のような炭酸水素ナトリウムって、作らないとないんじゃないか?

 僕は化学記号を思い描いた。


パンなどをつくるときにふくらし粉として使うベーキングパウダーは、炭酸水素ナトリウムに炭酸ナトリウムを分解するための酸を加えたものだ。

共に海水や岩塩に含まれているNaCl、石灰石の成分であるCaCO3、

ありふれた材料で作れないことはなかった。


異世界に転生して、僕は素材集めを常にやってきた。

だから僕のリュックの中に素材はそろっている。


「和木君、ナンは作れるよ。ベーキングパウダー僕がつくる」

アンモニアソーダ法でつくれば間に合う!


 僕は早速とりかかった。

 ――でも、僕ってこんなに色んな化学式暗記してたっけ?

 確かに科学が好きで、自然科学の分野についてはひと通り知識を持っているつもりだった。


 オタクだからね。

 ひとつのことにのめり込むと、とことんついきゅうしてしまうから。


 でもこんなにもスラスラと化学式が出てくるほど、記憶力よかったかな?

 この世界に来て、僕の潜在能力が研ぎ澄まされている気がする。


 僕だけかな?

 和木や樫木はどうなんだろう?

 後で聞いてみなければな、と僕は思った。

 もしかするとこれが、僕たちが異世界で得たスキルかもしれない。


 わかりにくいけど。


「オタクの青春は異世界転生」2020年10月27日

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