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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
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いじめかな?

気ままに投稿しています。

       ※


 次の日から猛烈ないじめが始まった。

 いじめって言ってもメンタルにくる方じゃない。

 僕の肉体に対してのいじめだ。


 朝練で、運動場10週走り込みの後、

 シュート練習300本、

 放課後はハンドリングの練習に、ご丁寧なことに、3年の先輩5人が僕についた。


 和木と黒田が、マンツーマンでゴール争いを続ける横で、

 僕は先輩達に、いじめーーもとい可愛がられていた。


 5人が器用にドリブルしながら、ゴール下の自分にかかってくる。

「もっとしっかり狙っていけ」

 くるくる回って、ボールを目で追う。

 ダメだよ、僕の目が回ってくる。


 なんとかボールを取りたくて、僕は手を伸ばした。

 タンー。

 指の先にボールが触れた。

 取ることはできなかった。

 でも!先輩から先輩へ渡るパスを妨害できた。


 ヒューッ、とそれを横目に見ていた和木が口笛を吹いた。

「リーチ長い」

 

 届いた、ほんとに届いた!

 それに和木に感心された!


 嬉しくなった。

 手を伸ばすだけでボールにタッチすることが出来た。


 でも――。

 いてーっ!

 指折れてるんじゃないか、ぐらいの痛みが走る。


 届いたことの驚きと喜びで、痛みが一瞬とんでしまってたんだけどね。

 すぐに指を抑えて、うずくまる。

「先輩、指折れました!」

「折れるか、アホ。ただの突き指だ、後で冷やしとけ」


「その調子その調子」

「続けていくぞー」


 え?

 続けるの?


 やっぱり、いじめかもしれない。

 ぼくは今までこの指で、実験かゲームしかしてこなかったっていうのに。

 こんなに痛むのにぞっこーするの?


 自慢じゃないけど僕の握力25だよ。

 前にクラスの女子に負けたことを思い出した。

 すらっと伸びたキレイな指には、ネイルだって(しないけど)バエるくらいなんだからな。


「はい、ぼーっとすんな、眼鏡」

「一年、しまってこ」


 先輩たちは黒田のことは、黒田君という。和木の事も和木君と呼ぶんだ。

 なんで俺の事は、眼鏡とか一年っていうのかな。

 僕の名前は森リトウなのに。


 森君って言われるまで、僕は頑張らないといけないんだなぁと、この時思った。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年9月9日

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