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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
69/144

胃袋をつかむってやつ!?

気ままに投稿しています。


異世界転生、今まで書いてきた異世界に現代人が混在したら、

ややこしいな、って思って書いています。

「偽りの神々シリーズ」とリンクします。

         ※


「香辛料の強い食べ物を食べ続けている人種の体臭、わかるか?」

「わからんです」


 馬に乗って接近した時、一族の街に入ってきた時、

和木はこの一族の匂いを敏感に感じ取ったらしい。


「日本ってさ、わりと素材の味にこだわって、

脂とか香辛料っておなざりなんだ。

食材を調理するとき、一番大事なのはもちろん素材。

でも、素材がイマイチでも香辛料と油で、料理は如何様にも美味くなる」


 この一族に来てそれが揃うってこと、和木は体臭から確信していた。


「日本って体臭とか匂いを、とにかく無臭化するように徹してるけど、外国人はそうでもない。

匂いってのも、魅力の一つだと感じるのは動物の本能だ。

匂いからその国の食文化、風土、生き様がわかるよ」


 和木はヨーロッパより、アジアの方が香辛料、

つまりスパイスについては拘っているんだと断言した。

 そして神様の国に、同じものを感じ取ったらしい。


「おまえの家のキッチンに、油は何種類あった?

さしすせそ以外の調味料、どれだけあった?」 


 料理のさしすせそ、

「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油せうゆ、「そ」味噌、なんだけど、

日常の料理じゃ、それくらいにプラス、ニンニクとか生姜とか、ごま油とか、コチジャン。


 僕が作ってたのって、そんな調味料しか使わない。

 あ、味の素、中華の元、オイスターソース、それで全部だ。


「中国を例に挙げるけど、そもそも調味料っていうか、

味付けの深さが根本的に違う。

素材の味を追求する日本も、確かにすごい。

でも素材じゃなくて、できた皿の味付けの奥の深さは、

日本じゃ味わえないほどの歴史を感じた」

 和木は楽しそうだ。


「あの女神、俺に、いや俺たち文明人に、

仲間に入れて欲しかったら、それを示せと言った」

 不敵に笑う。

「発展途上国のこんな神の国に、俺たちの知識が負けると思うか?

積んできた歴史や文化が違う。近代社会は5Gの世界なんだぜ」

 女神には負けるわけないと、面白そうだ。


「手始めに、この国の香辛料つかって、あいつら胃袋を驚かせてやるよ」

 シェフは風呂上がりに決意を語った。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月25日

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