風呂のアシスト!
気ままに投稿しています。
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現代人だから、風呂の大切さってそれなりに知ってるんだ。
皮下の血流の改善、疲労回復、老廃物の排出。
医学的にも色々あるけど、リラックス効果って半端ないんだよ。
温泉って、僕の親のまきちゃんが、奥さん連れてよく行ってた。
和歌山って温泉の聖地だからね、どこ行っても温泉があったんだ。
『一緒に行かん?』
親父の誘いを、僕は断り続けた。
今考えれば、行けばよかったって思う。
でも温泉なんて、年寄りが行くとこだって思ってたんだ。
引きこもって本ばかり読んで、実験やゲームばかりしてる僕には、
とてもありがたい誘いだったんだ。
身近にありすぎて、気づかなかったよ。
でも、この世界にきて水の有難みを川で知って、
お湯の風呂、更に贅沢な状態だったことってこと、今噛み締めてるよ。
「樫木も連れてきたよかった。あの伯爵女神、そんな悪意の人じゃないよね」
「心配するな。ハチが樫木を呼びに行ってる」
すごい、ハチ。
だんだん、忠犬ハチ公に育ってるじゃないか。
こっちに着いた時、保存食の食料と水を、和木はハチに与えていた。
そして指令を出してたんだな。
なんか、スウシェフの地位もそのうちにハチに奪われたりして……。
そうして楽しみにして、温泉宿にでも来た気持ちで
僕達は風呂に行った僕らは、驚愕した。
なんで脱衣場に裸同然の女の人がいるのーー!?
僕の家がAVに塗れてなかったら、その場で鼻血吹いてたよ。
「なんなの? 痴女!?」
僕が脱衣場を前に後退したのを横目に、和木は「ああ。こんな感じね」と冷静だ。
大丈夫か和木!?
女苦手なんだよな?
この世界の女性は積極的だ!!
「背中流す奴隷とかみたいだから、気にするな」
僕の心配をよそに、和木は堂々と風呂へ向かった。
完璧な八等身に立派なイチモツ下げてると、裸で歩く姿も堂々としたもんだ。
僕は布切れをタオル代わりにして、その後に続いた。
「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月24日