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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
61/144

条件

気ままに投稿しています。

お付き合い、オタク意見、二次創作的な考え、お待ちしています。

ほんと気ままな、そのひ生み出される、文章です。


        ※


 僕が一番嫌いなのは、出る杭になることなのにっ!

 不覚にも完全に和木と僕は今、出る杭になって、

打たれようとしている。


 女神は息がかかるほど、僕たち二人に近付いてきて、

上から下まで舐め回すように凝視してきた。


「珍しい衣装だ。近隣の村のものではないな」

 はいぃーー。違いますが、さすが鋭いですね。

 匂いすら嗅がれそうな距離で、女神は俺達に注目した。


「リーインリーズ様、そんな汚らしい者達に不用意に近づきまするな」

 一番近寄ってきているこの女神が、一番格上らしく、

他の二人が嫌悪感を表しながら、彼女を止めようとする。


 僕は完全に硬直してしまったのに、和木のやつが!

「あんた本当に神なの?」

 なんて、率直な質問をした。


 ちょっとは空気読んで!

 KYって知ってる!? ほんと空気読んで!


 僕も空気読まなかったから、女神に見惚れていたんだけどさ。

 そして目立ってしまったんだけどさ。


「面白い男がいるじゃないか」 リーインリーズという女神は、和木に注目を集めてしまっている。

 和木は更にたたみかけた。


「でさ、神様とか貴族とかって、能力あれば仲間になれるんでしょ?

 どうすりゃいいの?

 その条件、聴きにきたんだけど」

 わー、ど直球だ。


 もう、僕は和木を止められないよ。

 和木の部下みたいに横に突っ立って、青冷めるばかりだ。


「俺、女って信用できなんですよね」

 わー、女神相手に本音爆裂。

「なんか、偉そうに理屈捏ねるけど、実力に伴うような努力してない女って、俺の周りにはたくさんいたし、何だかんだ男に頼りたい性質なんだって思ってきたから。ーーそちらさん、神とか貴族って言うなら実力示してくれない?」


 ひゃー。

 もうとり成せないぐらい無礼だった。

 でもスゥシェフの僕にとっては、和木が神だよ。貴族だよ。


 リーインリーズ以外の二人の女神が、剣を抜いて僕たちに攻撃耐性になる。

 リーインリーズだけが、和木の態度を否定的には取らず、かといって冷静に見ているように不敵に笑った。


 そして彼女は顎を上げて、腕を組み、僕たちを見聞するように高飛車に言った。

「巫女でも巫でもないのに、仲間になりたいの? そしたら実力を示さないとね」

 白金の髪が海風に揺れる。


「私たちと取引できるだけの何か、持ってきなよ」

 女神は言った。

「そこの人間や、野獣や、人肉の人柱なんかじゃ足りないよ。偉そうに言うお前が、私が取引したいような物を提示してこい」


 そこの人間って僕ですね。野獣ってハチ公ですね。

 人肉は誰のですか!?


 とにかく女神リーインリーズに着目されるようなもの、

「持ってこーい」って言われたんだ。


「ああ、そのうちに取引してやる。ーーでも、そっちに対しても同じこと言ってやる。俺らが取引したくなる内容と、交換できるようなもん、あるのかってことが重要だ」


「即刻死罪だーー!」

「たかが人の言うこと、取り合う必要などない」

 女神その2、その3が声を荒げたが、リーンリーズは面白そうに笑った。

「それ相応の、取引を用意してやろう。ーーま、お前達が私達の寿命と同じだけの命を永らえられたの話になるが」


 ある意味男らしい女神だった。

 同じくKYで、男らしい?和木が彼女の条件を飲んだ。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月22日

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