神様の一族
気ままに投稿してます。
お付き合いよろしくお願いします。
森くんは、「敗れた夢の先は三角関係から始めます」
和木くんは、上と「自己肯定感を得るために呪術を勉強し始めました」に登場してます。
米
僕たちはちゃんと生きていた。
日本じゃない世界、たぶん異世界に転生して。
黒田コウと姉のアイちゃんが頑張ってくれているなんて、
知る由もなかったけど、僕も和木も樫木も、みんな元気だ。
リオナという異世界の住人に色々なことを聞いた。
この世界にはどうやら神様が居て、神様の事を貴族っていう。
それから神様は一族をつくっていて、それぞれ特徴的な王国を築いているんだそうだ。
リオナ達人間の村人には、必ず巫女や巫(かんなめ:男の神に仕える人)が、
1人や2人いて、神の声を聴くのが仕事だそうだ。
そしてその能力が無くなると、リオナの村では、
巫女の四肢をバラバラにして、神々に献上するのだと言った。
「じゃあ、本当に食べられるわけじゃないんだね?」
「うん」
「人間同士、食べあったりしないんだね?」
「そんな怖いことしないよ」
僕の早合点であってくれて、嬉しかった。
食べるのは神様なんだな、と思う。
「でもさ、巫女や巫と言っても、
力が無くならない人なんているの? いずれみんなリオナみたいに
供物にされちゃうのか?」
樫木が聞くと、
「神様の一族に交われる人もいるから」
リオナは答えた。
「それってすごいじゃん!」
強そう!
僕たちは子供みたいに目を輝かす。
「元々から貴族でなくても、神様の仲間に入れてもらえる人もいるの。
でも、私は……、みそっかすだから無理っぽい」
「なんか条件ってあるの? クリア条件?」
僕たちはゲームの中のように考えて、可能性を聞いてみる。
「あるけれど……。たいていの人は叶えられない」
「でも話して。そのクリア条件話してくれたら、僕たち神様の仲間入りできるってことだよね?」
リオナは困ったように考えて言った。
「その条件って、死ななくなることだよ。できるかな?」
死ななくなる?
神様の仲間入り?
あれ?? それってすでに死んじゃうってことなんじゃないの?
僕たちは頭を悩ませた。
「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月19日