シンギュラリティ
気ままに投稿しています。
お付き合いよろしくお願いします。
感想、評価などもお待ちしています。
※
はじめてパソコンがこの世に生まれたとき、
一番似ていると例えられたのが、人間の脳の仕組みだった。
共通しているのは、脳もコンピュータも、電気信号で情報を伝えているという点だ。
回路が電子かシナプスかって違いはあるけれど、
人工知能が研究されている今、ひとつの可能性を捨てることが出来なかった。
若くして亡くなった彼らのビックデータを集めて、
人工知能として再び命の種を植える。
シンギュラリティは人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)。
その日が来たとき、人工知能の種から命が生まれ、
彼らの意識は、電気エネルギーとなってどこかで生きていくはずだ。
それはこの世界とは限らない。
もしかすると異世界に意識を飛ばすかもしれない。
でも彼らのデータから生まれた意識は、もう一度命を吹き返すはずだ。
だからコウ。
「亡くなった三人の為に、彼らが生きていける可能性を捨てないでおこう」
これかも自分は彼らの身近にいた人に、彼らの事を色々聞いて、
データを増やして行き続ける。
せめて、和木、森、樫木君たちだけでも、
魂がどこかで生きていけるように研究したかった。
もしかすると弟のコウも、一つ違えば彼らと同じように戻らぬ人になっていた。
それを考えると身震いしたし、なんとか彼らのためになりたかった。
「コウ、あなたの記憶の中の彼らが、きっと命を吹き返すから。
彼らの事、もっと話して。
それから、彼らが親しくしていた人、家族、友人皆に、
彼らの事を聞き取っていこう」
今は不確定な条件でしかないけれど、
時間軸を超えたところで、世界すら違う場所で、
きっと彼らは生きている。
「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月19日