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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
52/144

鬼かも疑惑!?

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。


       ※


 食料があればいいのにな、と思った村で、

危うく食料になろうとしていた僕たちは、無事に村を脱出したけれど、

一人の女の子をピックした。


 パーティに女の子が参加したことで、僕と樫木は喜んだけれど、

和木だけが頭を抱えている。

「これ誘拐じゃないよ、本人の意思だから」

「そうそう、無理矢理連れてきたわけじゃない」

 意気投合した僕たちを横目に、そっぽを向いてしまっている。


 やっぱ女の子嫌いなんだなぁ。

 せっかくモテるのに、気の毒なやつだな。

 僕の和木への評価が固まる。


「で、君名前はなんて言うの?」

「リオナ」

「ふうん、可愛い名前だね」

 樫木が臆面もなく彼女を褒めている。


 僕には無理だぁ。

 女子に免疫無さすぎて、話しかけたくても難しかった。


 樫木が情報を聞き出そうと、彼女の周りをうろうろしながら、

質問をしていくのを、僕は黙って聞いていた。


「どうして着いてこようと思ったの? わいと一緒に来たかった?」

 そんなわけない!

 なかなかどうして樫木はナンパだ。


「違います」

 あ、はっきり否定された。

 樫木は、あからさまに落ち込んでいる。

 そういえば食べたり飲んだりしている席でも、

彼女にニコニコと話しかけてたもんなぁ。

 好みのタイプなのかもしれない。


「じゃぁ、村を出るなんて、どうして決心したの?」

 リオナは困ったように眉根を寄せた。


「そろそろ食べられちゃいそうだったから」

 ーー出た!

 人肉発言だった。


「食べられるって村の人に!?」

 黙ってられなくて、僕は聞いた。

 リオナはふるふると首を振った。

「貴族への献上品にされるってことなの」

 何?

 大した文化なんか無さそうだったのに、

この世界に貴族なんているの?


「私はあの村の巫女なんだけれど、あまり能力がないから、

貴族への供物にされるって。お母様が」

 僕たちは目を見張った。

「貴族って、人肉食べるの? 僕見ちゃったんだよね。

村の裏側で、人の手足切って血抜きしてたでしょ?」

 あれって何!?


 そうだ。ちゃんとそのこと聞いておかないと、

いくら可愛い女の子でも人肉食べる人とは一緒にいられないよ。


 ここが異世界だったら、人間みたいでも人間じゃない可能性って

多分にあるんだからさ。


 それには和木も樫木も納得したようで、

うんうんとうなづいている。

 逃げ出してきたけれど、とにかくまずは事実確認をしなきゃ。

 僕たち三人は、リオナを取り囲んだ。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月16日

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