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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
43/144

生態系

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

       ※


 遠慮している気持ちでいたのに、

周りからは全然そう見えていなかったらしい、僕の気遣い。


 しばらく座り込んで、指先で地面をいじりたいような気分になったが、

心理学の言葉に、自己評価ではなく他者評価って言葉がある。


 自分で思っている自分ではなく、他者が思っている僕の方が、

きっと社会的な僕への評価なんだろうな。


 そう思うと気が軽くなったので、僕ももっと僕らしくいようと思えた。


 三人と1匹で川沿いを下っていく日々を続けて、

僕達は多少、この環境の生態性を学んだ。


 嬉しいことにそれほど過ごしにくい気候ではない。

 朝夜は少し冷え込むが、それでも上着一枚来て、

直接地面に寝ないうように工夫さえすれば、耐えられないほどじゃない。


 川は澄み切っていて、川魚は豊富だった。

 食べられる木の実やフルーツもあって、

初めて口にするものがあるときは、三人の中でローテーションをしながら、

順番に試食した。


 これは一回、三人全員で椎茸に似たキノコを食べて、

丸一日腹を下し続けから、改善されたことだった。

 キノコ類も豊富で、食べられるものも中にはあった。

 明らかに毒キノコです、というような派手なものは、全員で敬遠した。


 後、川の中にはピラニアみたいに噛み付く魚の種類があった。

 水浴びをしていた僕たちは、奴らに襲われたことがあった。


「いでっ!」

 樫木が声を上げたことが最初だった。

 水の中でも、樫木の周りに小さな黒い塊が集まっていっているのが見えた。

 怪我をしている血に反応する魚のようだ。


 同じように水浴びしていた和木が、咄嗟に樫木の方に泳いで、

自分の方の上に樫木を担ぎ上げた。

 僕も近寄ろうとすると、「来るな」と和木が言った。

 和木は水泳も得意だったので、何なく岸まで上がってきた。


 二人に噛み付いていた魚は数十匹はいたと思う。

 大きさは10センチほとに満たないのに、口の直径も7、8センチはある。

 鋭い歯に噛まれて、二人は全身から出血していた。

 幸い毒はなく、命に別状はなかったけれど、

 僕たちは奴らをピラニアと名付けた。


 ちなみに肉食のピラニアは、結構美味かった。

 けれど体を釣り道具に変える気にはなれなくて、

僕たちは怪我して血を流している時は、川に入るのを止めることにした。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月12日

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