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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
41/144

負けないし。

気ままに投稿しています。

お付き合い、よろしくお願いします。

        ※


 コウが目を覚ました。

 明け方眩しそうに目を細めて、半分だけ目を開けて、ここがどこか確認している。

 私の顔を見て、

「うわっ! 起きる、起きるから殴らないで!!」

 開口一番失礼だ。


「殴んないわよ。ここ病院」

 毎朝、寝起きの悪い弟を叩き起こすのが私の役目だった。

 だから反射的に、朝私の顔を見ると、コウは自分の腕をクロスして、防御態勢に入った。


「しっかりしないさい。家じゃないでしょ!」

 頭に寝癖をつけながら、ぼーっとしている。


「うわっあっ!」

 突然コウは叫んだ。

「姉ちゃん、バスが事故ったんだよ。インハイどうなった!? 俺たち間に合わなかった??」

 そうだよね。

 おまえの思考はそこで停止。


 弟ながら、イケメンでさわかやな感じなのに、

トレトレぴちぴちの天然っぷりに、彼女の一人もできやしない。


「事態はもっと深刻なんだけどね、コウ」

 少し声を低めたアイは、半顔になって弟を見た。


「あんた、親友殺したい?」

 事態が飲み込めない弟の目を、早く覚ましてやりたかった。

「助けたいなら、さっさと協力するのよ」

 この、ボケ、ナス、カス!


「姉ちゃん、心配かけてごめん」

「この、ボケ!」

 コウの胸に頭をぶつけた。

 生きててよかった。

 目を覚ましてくれてよかった。


 これで負けない。

 黒田アイは思った。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月10日

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