猿から始める
気ままに投稿しています。
お付き合いよろしくお願いします。
※
僕たちは、誰が一番火を起こせるかどうかを競争した。
結果は、意外なことに樫木の圧勝。
サバイバル慣れしているらしい。
「俺結構一人キャンプなんかもやってるから、任せとけ」
回復して、頼もしくなった樫木は笑顔になった。
弓形にしなる棒を見つけてきて、
僕のリュックに通してあった紐を両端に結び、
真ん中に尖った棒を巻き込んだ。
棒を前後に動かす度に、尖った先端が気に擦れて、煙が出始めた。
「こんなの手でやったら、手を痛めるだけ。頭使おう!」
いかん、どんどん鼻が高くなっている。
僕も二人のように、何か特技があればいいんだけど。
特技、科学。
そうだ僕には科学がある。
でも何もないところから科学を特技にするのって、
かなり至難の業だった。
でも、樫木のいうように、腕力も体力も人並みの僕だから、
樫木が言うように、頭を使わなければ。
科学を成り立たせる重要なもの。
それって元素。
石とか水とか、空気とか、自然界に存在するもの全てが科学に通じるんだ。
木をくべて、魚を焼いたら、炭が残る。
炭素、元素記号はC。
こんなものでも集め始めたら、今後役立ってくれるだろうか?
ダーウインとヘッケルの予言によると、
人間の先祖はアウストラロピテクス(猿人)とピテカントロプス(原人)だとか、
諸説あるけど。
どっちも知能を使って人間に成り上がったんだ。
この世界で生きていくことは大変だけど、
僕は僕の脳みそを武器に生きていこう。
「オタクの青春は異世界転生」2020年10月9日