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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
37/144

食材は贖罪!

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

       ※


  和木が連れてきた犬コロは、

見た目はまあまあ可愛かった。


 大きな目と、左右に大きく振る尻尾。

 和木は、ハチと名付けていた。


 ハチっていいったら、忠犬ハチ公でしょ。

 こいつそんなに賢いの?


 僕はやぶ睨んだ。


 結局僕が必死に集めたバッタもどきは、

全員の胃袋が拒否をして、

ハチの餌になった。

 和木が持ち帰った食料だけで、今のところ僕たちの空腹は満たされている。


 獣にとったら、こんな気色の悪い虫でもご飯にできるんだから、

すごいよな。

 僕が飼育をさせられていたウサギだって、

草とか嬉しそうに食ってたから。

 生命の胃袋の不思議だった。


 でもこいつの親って、俺たちの先輩食ってたような。

 人食い犬じゃん。

「ねぇねぇ、和木。こいつ育てて大きくなった危険じゃね?」

「かもな」

「じゃあ今のうちに食わない? 犬って、赤白黒の順に美味いって聞いたけど」

「グレイだろ。きっとまずい」

 和木はどうやら、ハチと名前までつけたこの、小さくて人懐っこいやつを気に入っている。


 樫木と僕は、くっついて眠ったが、和木はハチとくっついて眠った。

 果たして本当に忠犬になるのかどうか。


 樫木の具合が回復するまで、ちょっとずつ先に進みながら、

食料と水を調整しながら、過ごしていた。


 日本じゃないな。

 この見解は、三人の間で一致していたので、何日か放浪した後、

救助はないんだって、シビアに考えなければならなかった。


「なんでハチ拾ってきたの? で、なんで食べないの?」

 僕は、食料調達班として重要な質問をした。

「お前、こんな可愛い小動物放っとける?」

 放っとけるけど。

 人間以外、所詮動物だよね。


「こいつの親さ、俺が殺しちまったみたい」

 罪悪感を告白するみたいに和木が言った。


 僕は絶句する。

 僕たちを救うために、迷わず刀で戦ってくれたのに、

奪った命の尊さを悔いているんだろうか。

 その罪滅ぼしのために、ハチを拾ってきた?


「ごめん。僕もハチ、育てるの協力する」

 バッタでもなんでも、ハチのご飯集めるよ。

 僕は和木の肩をぽんぽんと、軽く叩いた。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月7日

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