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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
36/144

食料だろ?

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 僕がバッタみたいな羽が生えて飛ぶ虫を数十匹捕まえた頃には

夕方になっていた。

 手掴みでバッタなんて取ったことがなかったから、

最初は気持ち悪さにゾクゾクしてしまった。


 果たしてこれは食べられるのかどうか?

 疑問だ。

 佃煮って調味料揃っていて初めて可能になるもんな。

 こんなのこのまま食えそうにないけど。


 和木が一人頑張ってくれているに、

何もしないわけにはいかなかったから、

僕はバッタ取りに熱中した。


 和木が戻ってきた時、

僕は飛び上がって喜んだ。


「和木くん!」

 不覚にも涙が出そうになったよ。

 結構時間が経ったから、もう会えないんじゃないかと、

不安になってきていたところだ。


「よかった無事で」

「ああ」

 和木くんは背中いっぱいに荷物を背負っていた。

 薬や食料、バスの中を物色してありったけの物を持ってきたようだ。

 ブランケットや、ジャージなんかも取って着たようだった。

「水もあるから」

 バスに積んであった500mlの水をポンと手渡してくれた。


「樫木は?」

「うん今少し眠ってるけど、さっきまで意識はしっかりしてたから大丈夫」

「バスの中に救急箱があったからそれごと持ってきた。

お前、手当頼める?」

「うん」

 やったことないけど。

 血を見るの怖いけど、和木くんに休んで欲しかった。


「おまえのリュックの中身、ほら。センスの悪い菓子だな」

 ほっといてくれ。

 キャラクター好きだから、菓子を買うときもパッケージ買いをしているのだった。


「あれ、でも僕のリュックも持ってきてくれたのに、中身別にしたんだ??」

 和木は背中にしょえるだけのものを背負って、腹側に僕のリュックを反対掛けしていた。


 ん??

 なんか動いてる!!


「和木くん、僕のリュックが不自然に動いてる!」

 二度見したけれど、ゴソゴソと何かが動いている。


 僕がガン見していると、リュックの口がひらりと開いて、

中から生き物が顔を出した。

 灰色の立髪、金色の瞳。

 この前の犬もどきじゃないか!?

 犬もどきの子供??


 ちっちゃくて愛らしい、くるくるした目。


 でもさ、元生き物係もやっていた僕だけど、

僕ってあんまり動物好きじゃないんだよね。


 僕はポンと手を打った。

「食料だ!」


 ボコっ!

 和木に肩を殴られた。


「食うな」

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月7日

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