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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
34/144

PCの中の三人

気ままに投稿しています。

一人主人公、一人称の限界が来ました。

お付き合いよろしくお願いします。



        ※


その頃、黒田コウは病院のベットにいた。

「ばか! なんでこんなことになってんのよ!」

 病院の枕元に取り縋って、姉のアイが泣いていた。


 黒田の同級生のチームメイト、

 森、和木、樫木は即死。

 運ばれた病院でも、チームメイトが何人も助からなかった。


 全国放送のニュースに流れた。

『バスケ部、インターハイ前の無念の事故』

 ガードレールを突き破って、山中の崖下に転がるバスが何度もテレビに映る。


 警察からの電話で事故を知らされた時、

息が止まるかと思った。


 駆けつけた病院で、コウは眠っていた。

 まだ、意識不明の重体だった。


 こんなに心が張り裂けそうなのに、

報道陣が近寄ってきた。

「大変でしたね。ご家族はどんな様子ですか? 一言感想を」

 他人の不幸に群がるハイエナ!

 

 通信環境が発達している今、

一度ニュースで取り上げられたネタを、知りたがる人は多い。

 その気持ちはわかるから、

こうやって報道陣もそれを仕事にしているんだろうけど。


 当の本人や家族の気持ち、

ちょっとは考えろって言うのよ。


 報道陣が向けてくるマイクを奪って、

アイはマイクの接続口を抜き取り、

コードを床に叩きつけた。


 機械は悪くない。

 本当は機材ごとぶち壊したかったけれど、

モノに当たるのは良くないから、

せめてコードだけでも思いっきり外してやった。


 コウとコウの同級生三人は、アイの人工知能の研究対象だった。

 合宿中張り付いて、彼らの動きや性格を人工知能に入力し、

アイのPCの中に彼らは元気に生きていた。


 それなのに。

 アイは常に携帯しているノートパソコンをぎゅっと抱いた。

 現実で失った彼らには、もう二度と会えないんだ。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年10月6日

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