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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
136/144

夜襲するぞ

気ままに投稿しています。

今日は昼休憩がなくてUPできなかった。

お付き合いよろしくお願いします。

         ※


 和木は何故だか着物を着ていた。

「動きにくくないの?」

 夜襲に行くのに、そんな格好。

 僕の質問に和木は、「別に」とそっけなく答える。


 着物を着て日本刀を保つ和木は、なんだが僕が寄り付けないほど、いつもと違う空気感を纏っている。

 結局僕が用意した耐火用の服は、和木は動きが遅くなるし不細工すぎると身に付けなかった。

 樫木はちょっと遠慮がちに、腕だけつけとくなぁと歩み寄ってくれたんだけれどね。


 いつも思うが、和木のツンデレぶりは、ーーツンツンぶりは、女神以上だよなぁ。


 まあいいけど。

 僕はゴーストバスターのスノーマン並みの装備、つまり月に行く人間ほどの宇宙服で、火に対して耐性を得られるようにしていた。


「森君、…………」

 ーー何言ってるの?

「だから…………」

 聞こえないよ。

「…………、お前な!」

 はぁ?


 和木と樫木がこれはダメだと言うように、肩をすくめる。

 完全防備にし過ぎて、彼らの音声が聞き取れなくなってるみたい。


 僕はヘルメット状にした毒ガスマスクをスポッと脱いで、「何?」と聞いた。

「いや、もういい」

「だな」

 二人はなんだか、諦めたように言う。

「こうなったら、ジェスチャーでわかるようにしよう」

「そうやな。どうせ忍び込むんやから、むしろそれでいいんやないか」

 和木と樫木はうなづいた。


 僕たちは今、呉服屋の前の路地裏に隠れて、ジリジリと呉服屋に近づいていた。

 リオナは神楽坂の兵と一緒に待機しているので、僕達は3人で夜襲をかけようとしていた。


 夜襲なんてかけたことないから、和木と樫木が動きやすい格好を選択したことに異論はない。

 でも万全の体制を!

 そう思った僕は、なんだろう。

 関節がロボット並みにしか動かないので、ポンコツな鉄人○8号並みの動きしかできない。


「いくで」

 樫木は音頭をとった。


 僕らは、こくんとうなづく。

 特殊戦闘部隊さながらに、樫木が手の甲を下にして、四本の指でくいくいと合図する。

 僕らは忍者さながらに気配を消して、呉服屋に近づいた。


 玄関の扉ではなく、裏側の扉はこの世界では施錠が甘い。

 施錠自体、ちょっと力を加えれば開くくらいの脆さだ。

 僕らは裏口から店内に入った。


「この主人が悪党だったら、この着物没収だよな。ーー全部もらっていいかな」

 和木がボソッと、つぶやいていている。あくまで着物欲しいみたいだ。

 私利私欲出してくるあたり、こいつ余裕だなと僕は苦笑する。

 

 薄暗い店内の上が居住区だった。

 僕らは2階に続く階段を登った。


 息をひそめているのに、心臓がどくどくして、僕たちは緊張した。

 ついに、火の妖魔使いと戦うことになるのか!?


 僕らは2階に上がって、居住区の扉を破った。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年12月3日

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