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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
132/144

正座って足が痺れるもんだよな

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 この世界に来て見て、僕が会った権威のある人、三人目との対面はもうすぐだった。

 一人目は最初初めて人を見た村の村長。

 二人目は神の一族の女神、リーインリーズ伯爵。

 三人目が倭の国の王だった。


 王は純和風の城に住んでいた。

 王というよりは、殿と呼んだ方がしっくりくるような城である。

 僕たちは王様に会うために畳座敷の上に正座して待っていた。

 こんなに正座させられたのって、おばあちゃんの通夜以来だよ。


 痺れてくる足をさすりながら、僕は周りを見回した。


「やっぱりこの国の文化、どう見ても日本から伝わってきたものだよね」

「見てみい、これ柱に家紋入っとる。瓦のとこにも菊の紋入っとたで」

 菊の紋?

 僕がわからない顔をしていると樫木が教えてくれた。


「八戸菊を図案化した菊紋である十六葉八重表菊は、天皇とか皇室とか表してるんやで」

 さすが神社の跡取り。そういうことは詳しいみたいだ。

「じゃあ、殿ーーもとい王様は天皇家の出身ってことなのかな?」

「そうともいえないんじゃない? 象徴的に家紋使ってるだけかもしれないし」


 御前に王が来るまで、僕たちはキョロキョロしながら色々なことを話していた。

「王のおな〜り〜」

 臣下がいきなり声を張り上げた。

 緊張すべき場面だったのに、僕は吹き出した。


 僕は笑いのツボに入るとやばい。

 このままでは、失礼すぎて手打ちにされるかもしれない。

 辛抱しようとしても難しい。


 その様子を見た、右隣に座る和木が、僕の足をつねった。

 ずっと正座していたせいか、足痺れてたんだよね。

 「ひゃっい」と言って僕は前につんのめった。

 笑いは止まったけど、土下座する格好になる。


 いいよね、神主修行した人も、花道の家元出身の人も、正座に慣れてるんだから。

 二人とも涼しい顔で、堂々としている。

 僕が土下座するタイミングで、二人も軽く頭を下げた。

「オタクの青春は異世界転生」:2020年12月1日

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