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オタクの青春は異世界転生  作者: 一桃 亜季
113/144

やっぱり草木染めだよね

気ままに投稿しています。

お付き合いよろしくお願いします。

        ※


 高価な着物を手に入れて心なしか浮かれている和木の横で、宿屋への帰り道、僕は震えていた。

 お喜びのところ水を刺すようで、ほんともうしわけないんだけどさ。

 僕は和木にどうしても確認したかった。


「ねぇ、さっきの子供おかしくなかった?」

「ああ、アルビノだろ?」

「それ何?」

「病気だよ。色素を持たない、つまりアルビノって病気は基本的には「メラニン色素が作られない」ということが主な症状だと思う」


 1~2万人に1人いるかどうかって珍しい病気だと、和木が言った。

 たしかにそれも珍しいし、彼の容姿に変な印象を持ってしまったのも事実だけどさ、僕は彼が言った言葉がひっかかってしょうがなかった。


『お兄ちゃんも鉱物好きなの? 僕も大好きだよ』

 きれいだよね。

 方鉛鉱とかコロラドアイト、特に辰砂とか。


「なんであの子あんなに鉱物詳しかったのかな?」

「そりゃ呉服屋だからだろ? 着物染める染料って大事な商売道具だし」


 そうなんだけどね。

「でもあの子が綺麗だって口にしたのは、全部毒性強い鉱物ばっかりだったんだけど」

 やっはり、あの子ちょっとおかしかった。


 この世界の人は科学に疎いはずだ。

 それなのに彼は子供だというのに、自分と対等の知識があるような気がした。


 あの店に並べられている色彩豊かな着物は、草木染めでは完成しないものが沢山あった。化学染料を扱っているということだ。


ただし化学染料の中には恐ろしいものもある。2015年にはアゾ基を含む染料が発がん性物質を生成する可能性があると指摘されて製造中止になった。


 衣服は人に触れるから、怖いよな。

「和木君! 和木君が買った着物は植物染料で染めてるやつ?」

「そうだよ」

 よかった。やっぱり草花大好きな和木君チョイスだね。

 確認して、なんとなく僕は胸を撫でおろした。


「オタクの青春は異世界転生」:2020年11月20日

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