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『大和怪異記』より「猫人をなやます事」

 大和怪異記 卷之三 第五 ねこ人をなやます事


 筑後の国、ある武家屋敷にて不可思議な事件が続いて噂になっていた。

 夜毎、手毬ほどの大きさの火が現れ、畳から三寸ほど浮かび上がり、ゆらゆらと漂う。怪しく思った家人が火を追うと、それは飛び回り、時には隣家の榎の梢に登り上がった。

 また、怪火が現れるだけでなく、屋敷仕えの女中の居室で、誰もひかぬ糸車が動き、女中が夜寝ていると枕を返されるなど、変事が続いた。恐ろしく思った女中は、ねぎ(はふり)・山伏・僧などに依頼して祈祷をし、御札(おふだ)を求めて貼ったが効果はなかった。

 この屋敷の主人は、ものに動ぜぬ豪胆な気性で、これらの怪事、変事にむやみに騒ぐことは無かったが、噂が広まり方方(ほうぼう)でこのことを問われ、さすがに放置しておくわけにもゆかぬと屋敷に起こる奇怪な出来事の原因を突き止めようと考えていた。

 そんなある日、

 主人が庭に出ると、屋根の上に幾年(いくとし)年を経たのかわからぬ老猫が、下女の赤い手拭いを被り、目陰(まかげ)をさして周囲の様子をうかがっている。その怪しい様子に、主人は半弓で猫を射殺した。主人が屋根から死骸を下ろして見分すると、それは尻尾が二股に分かれた身の丈五尺 ( 約1.5メートル ) の怪猫であった。

 その後、屋敷に怪火は現れず、様々な怪事、変事もぴたりと止んだ。




『大和怪異記』より「猫人をなやます事」

 猫股の火、猫又の火( ねこまたのひ )は、越後国( 現・新潟県 )に伝わる怪火。宝永年間の怪談集『大和怪異記』に記述がある。「猫股の火」の名は漫画家・水木しげるの著書によるもので、原典は「猫人をなやます事」と題されている。

 Wikipedia「猫又の火」より

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