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 奇談散歩【55】 猫返し神社 : 阿豆佐味天神社・立川水天宮

 東京都立川にある阿豆佐味天神社・立川水天宮。

 同居猫が行方不明になった時、この神社の境内社・蚕影神社(こかげじんじゃ・養蚕の神 ) に祈願すると猫が戻ってくる “ 猫返し神社 ” として、多くの愛猫家から親しまれています。 


〒190-0031 東京都立川市砂川町4-1-1

TEL・042-536-3215 電話受付時間:午前9時 ~ 午後4時まで

立川市最古の建築物である本殿は、市有形文化財。

猫絵馬・猫守り受付時間 平 常:午前10時 ~ 12時 午後1時 ~ 3時30分

直接 参拝できない方へ絵馬の郵送あり。

夏季開門時間:午前6時 ~ 午後4時20分( 最終入場4時 )

冬季開門時間:午前7時 ~ 午後4時20分( 最終入場4時 )

JR立川駅北口を降りて立川バス①番線「三ツ藤」・「箱根ヶ崎駅」行き「砂川四番」の停留所下車すぐ。バスの乗車時間は約15分。


 1629年(寛永六年)、砂川の新田開発の際に創建された阿豆佐味天神社(あずさみてんじんしゃ)は、医薬・健康・知恵の神、少彦名命すくなひこなのみことと、文学・芸術の神、天児屋根命あめのこやねのみことを祀り、鎮守の神として長い間崇敬されてきました。また、立川水天宮は、安産祈願・子授けのご利益で知られており、多くの参拝客が訪れています。


 長い歴史を持つ神社ですが、“ 猫返し神社 ” として有名になったのは最近のこと。

 愛猫家で有名な、ジャズピアニストの山下洋輔氏の同居猫が行方知れずになり、猫を探していた途中、偶然通りかかった阿豆佐味天神社に、猫が無事に帰ってきますように、と願を掛け。その翌日、無事に猫が帰宅。その後も3回、猫が出奔するたびに御参りに行き、その度、無事猫が返ってきたといいます。その後、氏がエッセイに「あそこは “ 猫返し神社 ” だよ」と冗談で書いたところ、噂が広まり多くの愛猫家が参拝に訪れるようになりました。

 猫返し神社には、平成17年に寄贈された「ただいま猫」という猫像があり、これは山下氏の同居猫さんがモチーフになっているとか、この「ただいま猫」を撫でながら願い事をすると、願いがかなうといわれています。



 ご存じの方も多いと思いますが …

 有名な、行方知れずの猫が帰ってくる「おまじない」

『 立ち別れ いなばの山の峯に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む ≪ 貴方と別れて因幡に行く私ですが ( 因幡=稲葉=往なば」と掛け、「まつ=松=待つ」と掛けている ) あなたが私を待っていると聞いたならば、直ぐ帰りましょう ≫ 』

 この歌の詠み手は、在原業平の兄、在原行平(ありわら の ゆきひら)百人一首では、中納言行平ちゅうなごんゆきひらの名で表記されています。在原行平が国守として因幡 ( 現在の鳥取県東部 ) へ赴任時、詠んだ歌で、京への名残惜しさを感じさせる別れの歌です。


 …… で、

 猫の姿が見えなくなったときに、この歌を詠んで、

・紙に、この歌を書いて、猫が使っていた食器で伏せておく。

・紙に書いて、猫が出入りしていた扉や窓に貼っておく。

・短冊に書いて、目につくところに貼る。

・東の方角や玄関の人目に触れない場所に貼る。

 このようにすると猫が帰ってくるという言い伝えが各地に伝わっていて、地域によって「壁に貼る」「食器で伏せる」などの違いがあるようです。筆者の地元では「歌を書いて食器で伏せておく」でした。


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