猫魔ケ岳の猫王
福島県耶麻郡北塩原村と磐梯町の境に位置する「猫魔ヶ岳」に伝わる伝説。
≪ 磐梯山の西にあり、高90丈周2里計。
昔猫またありて人を食いしとてこの名あり。
北の方に猫石とてその面畳の如くなる大石あり。
その下草木を生ぜず塵埃なく掃除せしが如し。
猫またすめる故なりと云う。
四方に山遶り村落をさること遠し。≫
新編会津風土記、猫魔嶽より
【 猫魔ヶ岳の猫また伝説・あらすじ】
耶麻郡桧原村の郷士・穴沢善右衛門が雄国沼へ釣りに出掛け、思わぬ大漁に釣果を喜んでいると、小屋を覗き込むものがいる。
このような場所に … と、不審に思い、よくよく見ると、その人影は懐かしい乳母。達者であったか、と小屋に招き、魚を焚火で焼いて振る舞うと、乳母は獣のように貪り喰い、老人とも思えぬ食欲。これは怪しいと、思い出話を向けてもはぐらかされ辻褄の合わぬことばかり、さては山怪の類かと善右衛門は老婆を一刀両断、倒れた老婆は一匹の黒猫となった。
次の日、善右衛門が面妖なことがあったと訝しがりながら家に帰ると、妻が昨夜より行方しれずになっているという。家人、村人総出で山中を探し、断崖に生える老樹に、吊り下げられた妻の遺骸を見つけた。
善右衛門が木こりに「妻を下ろしてほしい」と頼むと、木こりは「腰のものを貸してくれるなら」という。「伝家の宝刀ゆえ他人に渡す事相成らん」と断ると、木こりの容貌が一変し、「我はこの山の主、猫王なり。昨夜、斬り殺された我妻の仇を討たんとて、汝の妻女を殺めたのだ」と本性を現し一喝、跳躍して梢に登ると妻の遺骸を咥えて姿を消した。
善右衛門は村人達と山を囲み、探索し、
数日の後に、洞穴に潜む怪猫と妻の遺骸を見つけ出した。
善右衛門は虎ほどもある怪猫に挑み、宝刀で切り伏せ、妻を取り戻し手厚く葬った。
以来、怪猫が住んでいた山を「猫魔ヶ嶽」といい、宝刀貞宗は「猫切丸」の二つ名を持つようになり、穴沢家に永く伝えられた。
もう一つの伝説は鉄砲名人の猟師が活躍する話で ……
猫魔ヶ岳に化け猫が出て、人々に危害を加えるので、領主は家来衆に化け猫退治の巻狩りを命じた。しかし、その企てが化け猫に悟られ、奥方が人質に取られてしまった。
そこで、鉄砲名人の百姓六三を呼んで退治を依頼した。六三は危機一髪、化け猫を退治して無事奥方を救出。六三は多くの報奨を得た。
というもの、
この猫また伝説は狼王ロボとブランカを思い出しますね。
ちなみに福島県会津若松市の末廣酒造さんから、この地名に由来する『猫魔の雫 ( ねこまのしずく ) 純米吟醸無濾過生原酒』が毎年季節限定で販売されているようです。
鉄砲名人の百姓六三は、なんかゴルゴマタギっぽい …




