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奇談散歩【43】 安達ヶ原の鬼婆

 『観世寺 ( かんぜじ )』

 住所:二本松市安達ヶ原4-126 ☎ 0243-22-0797

 参拝料:大人400円、中学生以下200円

 開門時間:9:00〜16:30 駐車場あり

 アクセス:JR東北本線二本松駅からバス安達ケ原下車


 能・浄瑠璃・歌舞伎で有名な「安達ヶ原(観世寺)」には、鬼婆の住居とされる岩屋、出刃包丁を洗った血の池などが現存し、老杉の近くに鬼婆の墓「黒塚」がある。


『奥州安達ヶ原黒塚縁起』

 神亀丙寅の年(726年)の頃。

 紀伊国(和歌山県)那智、東光坊の修験者・阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)、紀州の僧・東光坊祐慶とうこうぼう ゆうけい)が 廻国修行の途中、人里離れた安達ヶ原で日が暮れ、一軒の岩屋に宿を乞うた。

 岩屋には老婆が一人住んでおり、宿を乞う僧侶を招き入れ、持て成した。

 老婆は、裏山に薪を取りに出かけるといい、出かける前に「奥の寝屋は絶対に見てくださるな」と念を押して岩屋から出て行った。

 しかし、強力 ( 荷物運びの従者 ) が好奇心を抑えられず、奥の寝屋をのぞくと、中には人骨や食い荒らされた屍体が山積し、悪臭が満ちる酷い有様。驚愕した祐慶は、これは噂に聞く安達ヶ原の鬼婆の住処であったかと岩屋から逃げ出した。

 ほどなく岩屋に戻って来た老婆は一行の逃走を知り、怒りも露わに鬼の姿となって、尋常ではない速さで追いかけた。鬼婆が祐慶の後ろに迫り、今にも襲い掛からんとした、その時 ――

 阿闍梨祐慶、如意輪観世音菩薩像を取り出し、一心に経を唱えると、

 菩薩像は光明を放ち中空へと舞い上がり、破魔の白真弓で金剛の矢を射ち、鬼婆を仕留めた。


 こうして、鬼婆は落命したが、観音像の仏縁により成仏することができ、祐慶は阿武隈川のほとりに塚を造って老婆を弔い、その塚は「黒塚」と呼ばれるようになった。鬼婆を得脱に導いた観音像は「白真弓観音(白檀観音とも)」と呼ばれ、後の世も篤く尊崇されたという。



この伝説の結末にはいくつかのバージョンがあり、

 観音像の霊力で鬼婆は稲妻に打たれて落命。

 鬼婆が改心して仏道へ帰依。

 祐慶が夜明けまで必死に逃走、そのまま逃げ切り助かった。

 また、祐慶が旅の途中、偶然 鬼婆に出遭ったのではなく、鬼婆討伐目的で安達ヶ原へ赴いたという話もあります。

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