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奇談散歩【15】 飛脚狐の桂蔵坊

 桂蔵坊けいぞうぼうは、鳥取県東部に伝わる伝説。

 経蔵坊狐きょうぞうぼうぎつね飛脚狐ひきゃくぎつね)とも呼ばれる。


 昔、因幡鳥取藩の初代藩主・池田光仲いけだ みつなか※に仕える「桂蔵坊」と名乗る狐がいました。桂蔵坊は、因幡から江戸までを3日で往復する神足を持ち、藩主に良く仕えたので、藩主もこれを可愛がり重用されていました。

 ある時、桂蔵坊が仰せつかった用事で江戸表に上がった折、城からほど近い百谷の村で、道脇で焼き鼠を罠に仕掛けている百姓がおりました。侍に変化して声を掛けると、畑を荒らす狐を退治するために罠を仕掛けているとのことでした。

 江戸での用事を済ませた桂蔵坊が、帰り道、再びその村を通りかかると、先ほどの焼き鼠が狐には堪らない良い匂いを放っており、罠とは知りつつも、匂いに釣られ桂蔵坊は焼き鼠に飛びつき、罠に挟まれて亡くなってしまいました。藩主はたいそう悲しみ、桂蔵坊を神社に祀ったと伝わっています。


※江戸時代後期の『鳥府志(岡嶋正義著)』に、桂蔵坊伝説は池田光仲の代の出来事であると紹介されています。( 諸説あり )




鳥取県鳥取市の久松山の中坂神社 ( 鳥取城登山道中腹 ) に桂蔵坊が祀られています。

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