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忘れ物

 仲睦まじい老夫婦のご主人が急病で身罷られた。

 葬儀はつつがなく執り行われ、納骨も済んだ頃、

 奥様はご主人に会ったという。


 その夜、奥様が休もうかと寝室に行くと、生前と変わらぬ姿でベットに腰掛けていて、

「家まで遠かったでしょう」

 と、声をかけると、

「もう、そんなに遠くもないよ」

 と、答えたそうだ。

 少し会話をして、今日の用事は何か尋ねると、

「あれを忘れたので不便なんだ」

 と、自分の顔を指さす。

 奥様が「入れ歯」と「老眼鏡」を見せると、頷いて、ふっと消えた。

 

 次のお墓参りの時に持参して入れてあげたけど、

 その後出てこないのが少し残念ね。


 と、彼女は話した。



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