新人ちゃん
友人が以前勤務していた病棟には「回復室」と呼ばれる大部屋があると聞いた。
急変した患者さんや術後の方が入室される部屋で、
入室されている方の人数にもよるが、受け持ち看護師は大変多忙な部屋だという。
ある日、入室者数は多いが、
そろそろ落ち着いて大部屋に戻れそうな患者さんが多かった日、
新人看護師にその部屋を受け持たせた。
「外回りは私たちが頑張るから」
「回復室デビューがんばれ」
と、緊張でぎくしゃくしている新人を微笑ましく見ながら
ばたばたと夜勤をこなした。
大きなトラブルもなく、
勤務終わりにお茶を飲んでいると、
新人看護師がナースラウンジに入ってきた。
「おつかれー」
とお茶を勧めると、
ほっとした顔で、昨夜のことを話始めた。
「深夜に○○さんの検温をしていたら起こしちゃって」
という。
「そんなの、気にしない気にしない」
というと
「いえ、そうじゃなくて」
「私の後ろを指さして、××さん… 後ろの人だれ? って言うなり、また寝ちゃって …」
「振り返っても誰もいないし、気になるし、怖いじゃないですかー」
朝の検温時に聞いても、本人は覚えておらず、
もにょもにょしながら勤務終了まで頑張ったのだそうだ。
「寝ぼけてたんじゃないの」
お茶菓子を勧めながら励ますと、
「でも …どんな人だか気になりますよね、後ろの人、イケメンだといいなぁ」
と返してきた。
そんな新人ちゃんは、今は肝っ玉母さんにクラスチェンジされているそうだ。




