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葬儀 虫送り
葬儀
知人の実家は山陰の山奥、秘境といってもいい場所だそうだ。
今から数年前、大叔父が急に亡くなり家族で葬儀に参加した。
驚いたことに、その地方は当時も土葬で、
「しかも埋葬した後に、その周りを参列者みんなで踊るんです」という。
彼はいたって真面目な人で、私を担いでいる風でもない。
どんな野辺送りの踊りなのか、詳しく聞いておけば良かったかなと思っている。
虫送り
知人の田舎では、今も初夏に虫送りを行うそうだ。
まだ昭和で知人が小学生だった頃、
何時もの様に夕暮れから虫送りが始った。
藁人形を先頭に、松明を焚いて、鐘・太鼓を叩きながら行列して村境に行き、川に人形を流す。
川の近くまで行くと、もう暗くなった草むらに、ほんのり光るものが見える。
蛍だろうか、と思ったが、蛍の光とは違うようだ、
見ていると、ほつほつと光は増えてゆき、まっすぐに尾を引いて空に昇っていく、
茫然と見ていると、夜空に消えた。
「皆には蛍じゃなかったのか?と言われたんだけどね。綺麗でね、もう一度見たかったけど、その年だけだったな」




