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新たな日々へ
「…っ!ツンツンっ!」
「うぅ~ん…」
「コラッ!起きろっ!」
ゴンッッ!
「いでぇっ!?なわっっ!?」
須藤の頭へ鉄拳が落ち、驚いた拍子に椅子から転げ落ちる。
「全く…。呼んでも返事せぇへんから来てみたら居眠りしくさってからに…」
「いててて…悪い悪い」
仁王立ちする敷島に、頭をさすりながら須藤が苦笑いする。
「ほな、メシ用意したかんな。はよ来ぃや~」
「へ~い」
何だか優しいな、とは口が裂けても言えなかった。
須藤は苦笑すると立ち上がり、部屋を出て行く。
「………」
ふと立ち止まり、窓を振り返る。
…もう、雨は止んでいた。
ガラス越しに綺麗な夕焼けが広がり、今日という日が過ぎ去っていこうとしていた。
―――大丈夫だよ。
須藤は心の中で、そっと呟いた。
…ぱたん。
夕焼けはその姿を隠すまで、須藤の消えたドアを照らしていたのだった。




