表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TLS外伝 ~a crying soldier~  作者: 黒田純能介
45/50

兵士として


--------------------------------------------------------------------------------

…目の前に、大剣を背負う男。




―――良いか?叢雲。




男がその背を向けたまま語り掛ける。




―――俺達は普通の人間とは違う。




男は何者かと対峙している。自分は怪我をしたのか、その場から動く事ができずその先に何が居るのか分からなかった。




―――だが、俺達の力は、無闇に遣うな。特にお前は…。




カッッッ!


不意に閃光が走る。


眩さに目をつぶり、数秒。


再び目を開けると、変わらず男はそこに居た。


唯一違ったのは、その右手。それは力強く輝いていた。




―――俺はこれしか遣えないが…。




ググググ…。


男が前方に対し、右手を引き絞る。


グオッッ!


直後、砲丸投げの要領で右手を突き出した。



…一瞬の間。そして…。


ドガァァァアンッッ!!


激しい爆風と閃光。


辺りに対峙していたと思われる者達の悲鳴が響き渡る。




―――叢雲。お前なら…。



--------------------------------------------------------------------------------



バヂヂヂヂヂッッ!!


「…ッ!?」


現実に引き戻される。いまだ雷撃は止まっていなかった。




―――そうか…。




「ありがとう」



自然と唇が動いた。



両手を握り締める。



「…うおおおおおッッッ!!」


バヂ、バヂヂヂヂヂッッ!!


電撃が走るのも構わず立ち上がった。


「何!?」


蒼琉が驚愕の声を上げる。



…ブブ…ブブブブッ…!



走り回る龍の音が不意に変わる。


苦しみにのた打ち回る様に暴れ回る。


「ハァッ!!」


バシュンッッ!!


気合と共に、龍が四散した。


「…テメェ」


初めて、蒼琉が焦りの色を見せる。


チャキッ!


即座に村正の持ち手を切り替え構える。


「…アンタ、そんな危ない物どこで見つけた?」


須藤が不意に問う。


「あぁ?テメェに答える義理はねぇな」


つっけんどんな物言いを早々に受け流す。


「…まぁいいや。今はアンタをぶっ斃せれば」


ガッッッッ!!


床に転がった大剣の先を踏み付け跳ね上げる。


パシッッ!


起き上がる柄を受け止め、


ガシャンッッ!


両手に構えた。


「言っとくけど、アンタの電撃はもう効かないぜ」


正面から蒼琉の目を見据え、ハッキリと宣言する。


「あァ?…言ってくれるじゃねーか?」


こめかみに筋が浮く。


ヒュヒュンッッ!


だいぶ放電したのか、刀身の輝きは僅かな物になっている。しかしそれで妖刀の切れ味が落ちる訳ではない。


空気の摩擦を斬り、八双に構えた。


「はぁぁぁッ!」


仕掛けたのは須藤だった。


ブオンッ!


横薙に大剣を払う!


「でやあっ!」


ガギギンッ!ギィンッ!


下段からの斬り上げで弾き返し、袈裟斬りに繋げる。


「ハアッ!」


ヒュンッ!


「フッ!」


切っ先との距離を見極め、紙一重で上体を逸らす。


「…ッラアッ!!」


腹筋の瞬発力を最大限利用し、上段からの大振り。


「…甘えっ!」


トンッッ!


後方に飛び回避。


ズガンッッッ!!


目標を見失った大剣が床を抉る。


バッッ!


砕け散る床石が舞うや否や、須藤が後を追う。


「どりゃぁぁあ!」


ブオンッ!


相手の体勢が整わぬ内に大剣を振り下ろす。


ガギギィッ!


しかしそれは妖刀に阻まれる。


「まだ甘ぇっ!」


ギィンッ!


火花が散り、再び妖刀に光が集まっていく。


ヒュンッ!


先程よりも速度を増した斬撃!


ビシュッッ!


「くっ!」


僅かに脇腹を掠め、血が零れる。


「…んのっ!」


無理矢理大剣の軌道を変え、逆袈裟に斬りかかる。


ビシュッ!


「ぐっ…!」


紙一重でかわしきれず、頬を掠めた。


パラッ…。


左目の眼帯紐が切れ、落ちる。


「…ヘッ」


一旦距離を取ると、微笑を浮かべた。


「………」


ガシャンッ。


須藤は右手を下ろし、真っ直ぐに相手を見つめる。


「最高だ」


ぽつりと蒼琉が漏らす。


「お前みたいなヤツは、今まで居なかった」


チャキッ。


妖刀を構える。


バチ、バチチッ。


小さな龍が、再び絡み付き始めた。


「もっと早く、お前と闘いたかったぜ…」


右目を細める。つられて、今はもう無い左目が傷痕と共に歪む。


「アンタは!」


ガシャンッ!


声に怒気を含み、大剣を構える。


「ただ闘うだけの為にこんな戦争を始めたのかよッ!」


ニィィ…。


蒼琉が唇を歪める。


「…さあな」


ザッ…。


軸足を広げ、いつでも駆けられるよう体勢を整える。


「知りたきゃ、剣で訊きなッ!」


バヂ、バヂヂヂッッ!


龍が次第に勢いを増す。


「…大バカ野郎…ッ」


ガシャンッ!


大剣を構え直す。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ