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TLS外伝 ~a crying soldier~  作者: 黒田純能介
34/50

想いを胸に秘め


「うう…っ!?」


「うおおっ!?」


「なわっ!?」


南条、加藤、仲村と残り二人の兵士が突如訪れた爆震に体勢を崩される。


爆震が起こる直前に南条と加藤達が合流し、共に蒼琉を追おうとしようとしていた矢先の事だった。


「…くっ…何だとッ!?」


揺れがおさまると、南条が有り得ないとでも言うように叫ぶ。


予定では、先行して先程のホールで待機し、残りの部隊と合流する筈だった。


「チクショウっ!」


加藤が通路を振り返り駆け出そうとした。


「駄目だッ!」


それを南条が制する。


「何で止めるんですかぃッ!?」


噛みつかんばかりの加藤の目を見て、口を開く。


「我々は先行し、ホールで待つ。十分待って二人が来なければ、そのまま突入する」


「どうしてですかッ!アイツ等を見捨てるんですかッ!?」


南条の表情は動かない。たまりかねた仲村が口を挟む。


「ちょっと、止めなよ。総隊長には何か考えがあんのよ」


「あぁ!?」


矛先を変えた加藤が吼える。


むんずっ。


「いーからちょっと黙ってろっ」


加藤の顔面を思い切り掴み黙らせる。


「…総隊長?もしさっきの兵士達が動かなかったらどうするのさ?」


それは暗に、嶋田達が失敗しているかもしれないと言っていた。


「その時は強行突破するしかない。誰か一人でもヤツの所に辿り着き、倒す」


「………」


「…さあ、行くぞ。他の部隊の状況も気になるが、どちらにせよホールの状況を確かめねば」


黙りこくる二番隊の面々を背にすると、南条は歩き出した。


…一人、また一人とその背を追う。


「…ほら、行くよ」


仲村が立ち尽くす加藤に声を掛ける。


「…ぐっ…」


苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべ、その場を背にする。




カツカツカツ。


来た道を戻り、ホールへと向かいながら思考する。




―――…済まない。嶋田、上原。お前達の覚悟は無駄にはしない。必ず、ヤツを倒す…。




南条は既に悟っていた。もうあの二人は帰って来ない事を。


この機を逃せば、あの二人のした事が無駄になってしまうかもしれない事を。


「私が、必ず…」


誰にも聞こえない様な呟きを残し、南条は向かう。


宿敵の下へと。



--------------------------------------------------------------------------------



「な、なんやぁ!?」


少し離れた崖の中腹が火焔を噴き出したのを目撃し、敷島が目を見張る。


現在、須藤と敷島は敵拠点の外周通路を移動していた。天然の岩窟を利用して造られた要塞には目立たぬ様窓が据えられ、外を窺い知る事が出来た。


「随分ハデな爆発だな…。もしかしてレイ達か…?」


須藤が目を細めて爆破の起きた箇所を見つめるが、人影など見える筈も無かった。


「早よ行こうッ!ねぇちゃん助けな!」


「ああ。急ごう」


二人が再び駆け出す。



…その二つの背を、一人の忍者が見張っていた。


『こちら丙。侵入者二名、玉に向かいます。一人は大剣を背負った男、もう一人は少女です』


くぐもった声を無線に掛ける。


『了解した…』


無線から聞こえてきた声。奇十郎の声であった。




…コトン。


机の上に無線を置く。


「…やはり来おったか。須藤」


カシャンッ。


呟きながら刀を背負う。


「最後の決着をつけてくれようぞ…」


ガチャッ。…バタン。


奇十郎は呟き、その場を後にした。




タタタタタ…。


二人が駆ける。南条の元へと。


「…!ユーコストップ!」


丁度十字路に差し掛かった折、不意に前を走る須藤が立ち止まる。


「わととっ!?な、何や!?」


敷島が急な事に慌ててブレーキを掛け止まる。


「シーッ!…聞こえないか?」


「…?」


耳を澄ます須藤に倣い、敷島が耳を澄ます。



…タタタタタン、…タパパパパン…。



「コレって…」


「銃声みたいだな…。こっちだ」


須藤が十字路の右手を見やる。先は薄暗く奥は窺い知る事が出来なかった。


「行ってみよう。レイ達が闘ってるのかもしれない」


「うんッ!急がな!」


再び駆け出す。



…だがその途中、三度大きな壁が立ちはだかる事になるとは、二人共思いもよらなかった。


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