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TLS外伝 ~a crying soldier~  作者: 黒田純能介
21/50

手当て


「ツンツンッ!」


「須藤ッ!」


敷島と南条が駆け寄る。


「大丈夫か」


「あぁ…。見ての通り…痛てぇ」


南条に、大袈裟な程しかめっ面をする。


「馬鹿者。見せろ」


無理矢理肩を押さえる手を引き剥がす。


「痛てててて!」


「暴れるな」


傷口を見る。




―――……!




「だ、大丈夫だって!」


バッ、と南条の手を振り払う。


「…分かった。だがせめて包帯位はせんとな。…侑子、持ってないか?」


その声に待ってましたとばかりにニヤリとする。


「へっへーん。白衣の天使、侑子ちゃんのお出ましや!」


自慢気にサイドバッグから包帯の束を取り出す。


「よし、じゃあ任せ…」


敷島に手当を任せようとしたその時、視界の端に包帯でぐるぐる巻きにされてもがく黒田が見えた。


…ミイラ男と言うより、蛹と言った方が正しい位の姿で。


ヒョイッ。


意気揚々と須藤に近付く敷島の手から包帯を取り上げる。


「やはり私がやろう。侑子は生き残った皆を集めてくれ」


「えー!折角ウチが腕を振るおう思うたんに~」


「この中で一番走り回る元気があるのはお前だけだ。頼む」


ぶーぶー言う敷島を宥める様に説得する。…やがて諦めたのか、その場から駆け足で走り去っていった。


「ふぅ。助かったぜ。征流の悲惨な姿は見えてたからな」


「だったら早く言え。あと、上着を脱げ。そのままでは包帯が巻けない」


「い、いいって!」


逃げようとする須藤をむんずと捕まえる。


「恰好だけでも気にしろ。お前…普通なら重傷者として病院送りになっているぞ」


「…もしかして」


「…そのもしかして、だ」


「見た?」


「見た」


「………」


「………」


奇妙な沈黙が、二人を包む。


フゥッ。


最初に沈黙を破ったのは、南条だった。溜息を一つ吐くと、口を開く。


「別に詮索はしない。須藤は須藤だ。さ、巻くぞ。脱げ」


「…やっぱり?ハズいんですけど~?」


「黒田の二の舞になるか?」


須藤の表情が凍り付く。


「いえ、遠慮しときます…」


いそいそと、左肩を庇いながら上着を脱ぎ始める。




少しの間の後、南条が包帯を巻き始めた。




―――もう出血が止まっている…。一体どうなっているのだ…。




「流石に鍛えているな」


疑問を押さえ込み、包帯を巻きながら南条が言う。


「あ?あぁ…。まぁね」


ぽりぽりと顔を掻く。


「よし。出来たぞ」


ぺちぺちと背中を叩く。


「さ、サンキューな」


未だに恥ずかしげにする須藤に、苦笑を浮かべる。


「気にするな。…服も用意せねばな。黒田に頼んで…あ」



漸く黒田も解放され、三人はクローゼットへと向かっていったのだった。


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