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TLS外伝 ~a crying soldier~  作者: 黒田純能介
14/50

入隊


「お早いお帰りで。敷島様もご無事でなにより」


駐屯地へと出向いた三人を、黒田がうやうやしく出迎える。


「うむ。ご苦労」


「クロちゃんお疲れ~」


「はい…。して、そちらの方は?」


訝しげに黒田が須藤を睨む。


「そんなに敵意を剥き出しにするな。入隊希望者だ」


「…これは失礼しました。私、黒田 征流と申します。以後お見知り置きを」


深々と礼をする黒田に、須藤がニカッと笑う。


「おぅ。ヨロシクな!征流!」


黒田は顔を上げると、薄く笑う。


「ではこちらへ。ささやかながらお茶をご用意致します」


「黒田。入隊希望書類も頼む」


「心得ております」


黒田は懐から封筒を取り出すと、南条に手渡す。


「よ、用意が良いな」


目が点になっている須藤に、南条が微笑する。


「私の部下だからな」


「…なるほど」


須藤が関心していると、痺れを切らしたかのように敷島が言う。


「はよ行こうや~」


既にてくてくと歩き出していたのだが。


「うむ…」


それを合図に、残された三人が駐屯地の奥へと向かっていった。




「内容を良く読んで、そこにサインをしてくれ」


テキパキと南条が指示をする。


「えーとなになに…『入隊にあたっては』…」


「須藤」


「ん?」


目線を南条へと移す。


「お前は特別だ。後で暇な時にでも読んでおいてくれ。まずサインを貰おう」


「ほいほい~。特別待遇ってヤツね」


「…まぁ良いだろう」


若干複雑な顔をした南条をさておき、須藤が書類にサインをする。


「サラサラ…っと。これで良いか?」


書類を受け取り、内容を確認する。


「うむ。結構。ではそこに立ってくれ」


適当な位置を指差す。


「ん?ここか?」


「ああ」


カッッッ!


靴音が高らかに響く。


ビシッッ!


そして、須藤に向かって敬礼をする。


「須藤 叢雲!此処に貴殿の入隊を承認する!」



…こうして、須藤の往く道の一つが決まったのだった。



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