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風吹く先に  作者: アイル
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第4話 洞窟

 


  暫く森の中をさまよってた祐太。歩いても歩いても変わらぬ景色に辟易しながらも辺りを探索しながら動いていた。

  探索してる間に自身の力である『大気万成』の確認をしていた。神少年が言っていた――自然的現象を操る力。風が吹いてるイメージをしながら腕を振ってみると風が吹く、切れるイメージで振ると風の刃が飛ぶなど現時点では拙いが風を操るにとどまる程度には使えていた。



「…体感してみると、魔法って凄いな…風を操ってるって感じだが鍛錬次第で風を纏って飛ぶとか、竜巻とか起こせる感じになるのだろうか…」



  魔法について思考しながら変わらぬ景色の中歩く。そう言えば何飲み食いしてないな…と頭の隅で考えながら魔法についてもだが、これからどうするか、何処に向かえば良いのかを考える。

  一先ず、第一目標はこの森から抜け出すこと。今現状の優先度は飲み食い出来るもの、活動するにあたっての寝床など。



「…前途多難だな」



  ため息をつきながら独りごちる。大狼以降なにも出会わず変わり映えしない景色だったが、あるものが祐太の目に見えてきた。



「…洞窟、か」



  そう、洞窟だった。祐太のいる位置から洞窟の奥が見えないかなり奥が深い洞窟のようだった。祐太は少し警戒しながら入口に近づく。



「此処から見える範囲には何もなさげだが…奥がどうなってるかがわからないな…」



  入るかどうか迷ってると洞窟の奥から影が伸びてきて祐太を掴む。祐太は避ける暇もなくその影に掴まれて洞窟内に引き込まれてしまった。



「っ、なんだ?!引き剥がせないっ」



  影は祐太を洞窟内に引き込むと何事も無かったかのように祐太の拘束を解いて奥に消えてしまった。祐太は何だ?っと訳が分からないながらも洞窟から出ようとする――が、洞窟に入口は無かったという様に入口を塞いでしまった。



「は?閉じ込められたのか?…っ、そらっ!」



  壁に向かって風の刃を撃ち込むが壁はびくともしなかった。何度も撃ち込むが一向に崩れる事は無かった。



「くそ!何なんだよ本当に!…周りもみえ―――る?」



  そう、閉じ込められたのにも関わらず暗く無かったのである。日の光があったから気づかなかったが日光が遮断されると洞窟内に点々と光る鉱石が薄暗いながらも辺りを照らしていた。



「…本当にどうなってんだ…」



  そう呟くもまだ休めない事が起こる。そう、洞窟内の魔物が祐太に近づいてきたのだ。薄暗い中に赤く光る双眼、蜥蜴の様だがその背中には刺されたらひとたまりもない鋭い針が何十本と生えていた。

  針蜥蜴とでも言うべきか、背中の針をこちらに向けて発射してきたのである。



「くっ、くそ!」



  飛ばしてきた針の数が少なく横に転がる事で難を逃れる。針蜥蜴は更に数を増やして針を祐太に向けて飛ばしてくる。

  祐太はこの空間じゃ避けれないと判断し腕を薙ぐ。すると洞窟内に強い風が吹き飛んできた針を落とす。祐太は閉じ込められた中でもちゃんと使えるのを認識し更に腕を薙いだ。


  生じた風は刃となり針蜥蜴を一撃で引き裂く。


  血飛沫が飛び散る様を顔を顰めながら見る。とりあえず攻撃が通じた事に安堵しながら他に何か近づいてないかと奥を眺める。暫く様子を見ていたが動きは無さそうだ。



「…はぁ、本当に勘弁してくれ…」



  項垂れながらそう呟く。一先ずその場で一息つくことにした。警戒しながらも休む事で何とか気力を取り戻し殺した魔物を見る事にする。



「…こういうファンタジー世界なら物語みたく魔物に特殊な部位とか魔石とかあるはずなんだが…」



  大狼の時はそこまで考えが回らずその場から離れてしまったので確認することは出来なかった。しかしつい先程殺した魔物がいるので調べてみることに。針に注意しながら裂けた箇所を拡げてみる。すると…



「やっぱりあるか、魔石…」



  丁度、その生物の心臓部に魔石があったのだ。血だらけになりながらも魔石を取り除く。



  「…うへぇ、魚を捌く感覚とは違うな…普通にグロい、がとりあえず魔石は取り出せた。小説とかで照らし合わせるなら持ってても損は無いものだしな」



  一通りの作業を終えて血を拭い魔石をポケットに入れる。そして祐太は洞窟の内部に進んでいく。



「…此処に居ても仕方ないし進むしかない」



  そうして奥に姿を消していくのであった。




誤字脱字などございましたら教えて頂けたら幸いです。

感想など待ってます。

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