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傷無しの正体はただのチキンでした  作者: ペテルギウス
1/2

憧れ

初めての投稿です。

感想、評価お願いいたします!

古来からこの世界では、冒険者というのはモンスターを退治する勇者の様な扱いをうけてきた。

実際、勇者の様に活躍しているのは、一部の上級冒険者だけなのだが。


しかし、勇者という存在は面倒なもので、勇者たる者、市民を命をかけて守り、正々堂々戦わなくてはいけないそうだ。


そういう点からすれば、俺は冒険者失格なのだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここは、とある洞窟の入り口。


ただの洞窟ではない。

野生のモンスター、つまり魔物が生息している洞窟だ。


普段は、誰も近づかないが、近頃、魔物の活動が活発になっていたので、大規模なパーティが急遽組まれたのである。


そんな訳で、今、ここには、大勢の冒険者が集結していた。


しかし、そのパーティが到着した時には、もうすでに魔物達は一人の冒険者によってほとんど狩られていた。


「おい、あれって…」


「ああ、傷無しのアーチャーだな」


その冒険者は有名人だった。


ただし、悪い意味で。


「おい、もっと正々堂々戦えよ!」


「お前、それでも冒険者かよ!」


数々の野次が飛ぶ。


今、魔物と戦っている冒険者の戦いに対するものだった。


その冒険者の戦い方は、短く言えば、安全第一だった。


もちろん、安全は大事だ。


しかし、その冒険者は安全第一しか頭にないのだろう。


逃げて、逃げて、逃げ続け、隙ができれば遠距離から矢を打ち込む。


冒険者という職業についている以上、そんな戦い方は外道だった。


しかし、周りの野次に臆することなく、淡々と魔物を処理していたその冒険者は、最後の魔物を仕留め、何も言わず去っていく。


「全く、冒険者の恥だぜありゃ」


「ああ、全くだ」


冒険者たちは、呆れたという風に話し始める。


そして、しばらくして気づく。


「おい、待てよ。俺たち何のためにここに来たんだっけ?」


「そりゃ、ここの魔物狩りだろ」


「だよな…」


「……」


「……」


「「あの野郎、絶対許さねえ!!」」


そして、獲物を横取りされて激怒する冒険者たちを他所に、一人の少女が呟く。


「かっこいい…」


その少女の目の奥に宿るのは、去っていった冒険者に向けた憧れの眼差しだけだった。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!

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