表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ARCADIA ver.openβ≪Playing by Elz≫  作者: Wiz Craft
〆 第二章 『星々の輝き』
39/242

 S15 Money Plan<金策>

 太陽が南中点を通過する頃、エルツ達は汗を拭っていた。

 平原での狩りは困難を極めた。というのも確かにドナテロ達の言ったウーピィを狩りの対象に含めない場合、三人のLv帯での狩りの対象は限られてしまうのであった。

 地表に立つ体長一.五メートル程の二本足の地鳥『Cocatrisコカトリス』を見つめながら、エルツ達は首を横に振る。


「ダメだ、Lv5〜6の上に、数匹で固まってる。もしリンクでもしようもんならうちら全滅だよ」


 スウィフトはそう言って溜息をついた。


「そうなると、やっぱりMoocatムーキャットか。でもあいつメチャメチャ狩りにくいしな。Woopyウーピィも狩りの対象に含めてかないとこれじゃドロップも無いしキツイか」


 エルツのその言葉に肩を落とすリンス。


「参ったな。ここでの狩りがこんなにキツイとは思わなかった。もうちょっと狩りの前に情報集めるべきだった」

「単純に、蟹乱獲出来たエルムの方が狩りは楽だったね」とスウィフト。

「でも、きっと何か狩りのパターンはあるんだよ。現にLv3付近になった冒険者は皆ここを目指してくるわけだし」とエルツ。


 それから、狩りは大きな収穫を得られないまま、一同はところどころで見かけるMoocatを相手に苦戦を強いられるのであった。

 結局、昼過ぎの午後1:00までの収穫は『ムーキャットの爪』5枚だった。

 手に入れたアイテムを持って一同はスティアルーフへ。


 昼食前に、一同はアイテムを換金するために、街の道具屋へと向う。

 パーソナルブックを開き、一同はその換金額の少なさに目を丸くした。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 売却品-売値(検出品種:1)


〆×1 ムーキャットの爪 23 ELK


 ●売却する 23 ELK

 ●設定クリア


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 エルツはドロップ品五枚のカードのうち一枚だけを分配で申し出た。


「たった23 ELKか。これじゃ昼飯代にもならないな」


 そんなエルツを見て、他の二人が口を開く。


「やっぱりちゃんと三等分しない? それじゃ、キツイだろエルツ」


 スウィフトの言葉にエルツは顔を横に振る。実際二人が得た金額だって46ELKなのだ。それでちょうどなんとか昼飯代を稼げるギリギリのところだ。これから夕食、そして宿の事を考えるととてもじゃないがお金が回らない事は明白だった。


「まずい、早く金策確立しないと破産するよコレ」


 エルツの言葉に二人も頷く。


 止むを得ず、三人は中央広場の出店でフランクフルト<10 ELK>を購入し、それに果実ジュース<5ELK>をつけて簡易な昼食を済ませる事にした。

 パーソナルブックで購入ボタンを押すと、一同の前に現れる空に漂うフランクフルト。それにエルツはグレープフルーツジュースを片手に、コミュニティのBBSを開いた。


「ちょっとコミュニティBBSで聞いてみるよ」


 エルツの言葉に頷きながらスウィフトとリンスは広場近くの真白なベンチに腰を下ろした。二人に座るように促されてエルツもベンチに腰を下ろし、キーボードを打ち込み始める。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 White Garden BBS


 ツリー 表示 1-10 <1/2/3/4/5/6/7/8/9/10 Next>

 ソート 更新順/投稿順/投稿者名順/レス数


ALL 金策について/Elz(01/双華/氷/4 13:36)


ALL 新入歓迎会 月夜の舞闘祭 結果/Donatello(01/双華/氷/4 6:01)

  →おめでとうございます!!/Yumiru(01/双華/氷/4 7:17)

  →おめー/Sneepy(01/双華/氷/4 9:31)

   →ありがとうございます!/Elz(01/双華/氷/4 10:11)


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 パーソナルブックを開き、フランクフルトを口にしながらスウィフトは声を上げる。


「あ、昨日の結果、ドナテロさん書いてくれてたんだ」

「うん、今朝気づいた」とエルツ。

「意外とドナテロさんてマメだよね」


 意外とというその言葉に隣で微笑を漏らすリンス。

 それから、雑談を交わしながら、BBSでの情報を待つ一同。

 すると十数分後に、BBSに書き込みがあった。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 White Garden BBS


ALL 金策について/Elz(01/双華/氷/4 13:36)

  →序盤金策は/Sneepy(01/双華/氷/4 13:51)


 □投稿者 Elz 金策について


 すいません、質問させて下さい。序盤の金策についての質問なのですが、今、スウィフトとリンスの三名で、西エイビス平原でMoocatを狩っているのですが、どうにも資金が貯まりません。僕らの意向として個人的な理由からWoopyは狩りの対象から外しているのですが、他にLv3の三人パーティで狩れるモンスターって居ますか?


 □投稿者 Sneepy 序盤金策は


 ムーキャットは効率悪いよ。経験値狙うならまだしもドロップも悪いからあまり人気無いんだ。序盤の金策はやっぱウーピィが主だけど、そうだなぁ。三人パーティなら、Lv5辺りのモンスターも狙えるし、東エイビス平原の森でマンドラゴラとか狙ってみたらどうかな? マンドラゴラの根はドロップ率も三割で、単価50G前後で確か取引されてるから序盤はお勧めかも。数もたくさん居るし強さもあまり強くないしね。ただスクリームには要注意。マンドラゴラが不穏な動き見せたら耳塞ぐの忘れないようにね。それじゃ頑張れ〜!


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 掲示板の書き込みを見つめながら呟くスウィフト。


「スニーピィさんてほんといい人だね」


 それに頷くエルツとリンス。


「そっか、じゃあこのマンドラゴラっての狩りに行ってみようか。東エイビス平原って事は、広場からさっきとは逆の方向か」


 そうして、エルツ達は遅めの昼食をとると立ち上がった。

 向う先は東エイビス平原。


 待ち受けるマンドラゴラとはどんな生物なのか。

 一同はそれぞれの想像を膨らませながら、広場を後にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ