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ARCADIA ver.openβ≪Playing by Elz≫  作者: Wiz Craft
〆 第五章 『双華祭』
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 S3 二輪の薔薇

 約束の時間の前に、浴衣を買うために一人ギルドを訪れたエルツ。

 ギルドの内装もすっかり様変わりしていた。受付には双華のシンボルである赤と白の薔薇が荊に絡められた細工として掲げられ、そのシンボルを中心に、ギルド内は色鮮やかな花々で満たされていた。


「赤と白の薔薇で双華か……なかなか幻想的だけど何か意味あるのかなこれ」


 ギルドへと到着したエルツは一人ホール内でそんな事を呟きながら視線をあちこちへと振り回す。すると正面入り口から受付に向かって右側のスペースに浴衣販売カウンターという看板が見えた。それに気づいたのも、そのカウンターに冒険者によるちょっとした列が出来ていたのだ。


「あそこか」


 三列に分かれた一番人の少ないように見える列の最後尾に並び、静かに順番を待つエルツ。すると、近くに立っていたギルドの女性係員が浴衣販売に関する説明を始めた。


「本日はギルドをご利用頂きありがとうございます。浴衣をご購入される皆様。こちらでは浴衣を販売致しておりますが、ご購入の際二点程、注意点がございます」


 係員の言葉に聞き入る冒険者達。


「まず、一点目ですがこちらではSR祭貨による販売となっております。そのためこちらでは通常貨幣でありますELKでご購入頂く事は出来ません。ご購入前にあらかじめSR貨幣のご用意をよろしくお願い致します」


 その言葉に思わずPBを開くエルツ。


――SR貨幣?――


 そう言えば、システムメールにそんな記述が一部あった覚えがある。

 システムメールをもう一度確認し、その内容をエルツが確認していると係員は説明を再開した。


「二点目ですが、本製品の装備についてです。本製品は特殊な製品でして、装備枠として浴衣は体・脚のニ枠を使用する事になります。また浴衣装備中は装備できる頭・足・アクセサリ装備は制限され基本的にはこちらで販売されている製品しか装備する事は出来ません」


 その言葉に顔を上げるエルツ。


「装備制限があるのか……厄介だな」


 エルツの言葉が聞こえてしまったのか、係員の女性はエルツに向かって申し訳無さそうに微笑み頭を下げた。


「ご購入の際は以上の点にご注意頂きますようお願い申し上げます。販売品目についてはPB上のポップアップメニューからご確認頂けます。本日はギルド特設販売カウンターをご利用頂きありがとうございました」


 彼女の説明を聞き終えるとエルツはまずPBのポップアップメニューから『特設カウンター販売品目リスト』をクリックする。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 ●特設カウンター販売メニュー


□×1 浴衣   3SR

□×1 草履   2SR

□×1 ハチマキ 1SR M専用

□×1 リボン  1SR F専用


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 販売品種はその四点だけのようだった。


「とりあえずは浴衣と草履だけあればいいか。となると5SRか」


 値段を確認すると、エルツはPBを見つめる。ここで浴衣と草履を購入するためには、まず祭貨を購入しなければならない。

 システムサポートからメールに記されていたように、エルツはデスクトップのポップアップメニューから『祭貨の購入』をクリックする。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

¢所持金 375627ELK


 ▼SR貨幣 購入フォーム


  _________枚(_____ELK) 【購入】

  


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 購入フォームからエルツは5枚分、50ELKを入力し購入ボタンへ。

 すると、エルツの視界前が突然光り輝き始めた。赤と白の発光体がエルツの眼前でクルクルと回転し絡み合い、やがてそれは一つの大きな光の球体エフェクトへと変化する。そんな輝きにただただ見惚れているとその輝きの中から赤銅色に輝く祭貨が現れた。


「なるほど……こういう事か」


 空中に漂い浮かぶ祭貨を手にとり確かめるエルツ。荊に巻きつかれた二輪の薔薇が描かれたそのコイン。

 これで祭貨の購入の仕方は理解出来た。けれども、何かに使う度にこうして祭貨を購入するのは少し面倒な話だ。

 

「お次の方どうぞ」


 その声に促されてカウンターの前に出る。いつしか順番が回ってきたようだ。

 そうしてエルツはそれから特設カウンターにて浴衣と草履を無事購入すると、マイルームへと戻るのだった。


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