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ファルとこれからの出会い

毎回のことながら不定期でごめんなさい。

若干ではありますが、アッーーー!な要素も含まれますのでご注意ください。

「私らってそんなに目を離したっけ……?」


「いや、どうだろう。でもまだそんなに遠くに入ってないと思うんだけど」


 昨晩の戦いだけを見れば人拐いに会う前に自分でどうにかできそうな感じがしたのだが、宗太達二人の視界に入る範囲にはファリシアルは見つからない。

 とりあえず二手に分かれて探そうとしたところに紗奈が何かを見つけたらしく宗太を手招きして呼び寄せる。吹き抜けのフロアの反対側に三人の男が麦わら帽子をかぶった美少女に声をかけている最中だ。二言三言何か言ったあとに男たちの後について更に通路の奥の人気の少ないほうへ行ってしまった。見間違えようのない容姿に宗太達は慌てて消えたほうへ向かい、息巻いて通路へ入った途端驚愕な姿を直視してしまった。


「今夜は放さないぜ二人とも」


「もう俺、夜までなんて待てない! 今すぐがいいのよ!」


「俺もよ! 二人で搾りつくしてやるんだからぁ!」


 二人が着くと同時に先ほどファリシアルを通路の奥へ連れて行った男三人たちが肩や腕を抱き合いながら現れた。これが両側二人が女なら両手に花で世の男達は羨むのだが、実際は羨ましいどころか夢でも体験したくない光景が目の前を通り過ぎて行った。

 隣で見ていた紗奈も声にならない驚愕と叫びで両腕を抱えながら鳥肌を摩っていた。

 男三人を奇怪なものを見るような眼差しを紗奈と一緒に見送っているといつの間にか二人の間にファリシアルが戻ってきていた。




「で、さっきのは何なのよ……」


 件の三人を見送った後、先ほどのおぞましい光景を思い出してしまい思わず身震いしながら鳥肌の立った腕を摩りながら問いただす紗奈。

 本来の目的のフードコートにて一息ついたところで宗太も今頃あの三人が掘っているのだろうと無駄に豊かな想像力を頭から追い出すようにブンブンと振っては唸っている。

 そんな二人を面白そうに眺めて注文したケーキセットに付いてきた紅茶を飲んでは舌鼓を打って、ファリシアルは「これだよ」とカーディガンの袖をまくって自分の腕に刻まれている文字を見せた。


「これは魔法だよ。一見切れ間がないように見える文字列だけど、私にしかわからないように配列されていてね。その文字の先頭をなぞると発動するようになるのさ。要するに、私自身がスクロール用紙みたいなものだね。で、さっきのは幻視と魅了の魔法を組み合わせたのさ。今頃私と紗奈とでよろしくやってる夢でも見てるんじゃないかな? 本当は男三人だけどね」


「え、ちょ…………!!」


「ちなみに数時間ほどで効果が切れるようにしているから、覚めた時が面白そうだよね。」


 いくら自分本人ではないにしろ、勝手に妄想されて連れ込まれていることになっていた紗奈は放心状態に陥り魂が抜けたように真っ白になっていた。

 その横の宗太は逆に自分がハーレム状態で禁断の両手に花を勝手に妄想して鼻の下を伸ばして「うへへ」とだらしない顔をして耽っていた。

 方や放心状態で抜け殻、方や妄想全開でだらしない顔。そしてそれを肴に優雅にケーキセットを堪能する美少女。傍から見たら凄く奇妙な三人組だろう。




「さて二人に相談があるのだけど聞いてもらえるかな?」


 粗方の買い物が終わり、帰宅して一息ついたリビングでファリシアルが少しだけ真剣な表情で反してきた。


「私は明日以降、パートナーの捜索とこっちの世界のどこかにいる魔王の配下たちの捜査・討伐。そして何より二人にお世話になっている以上経済的負担にならないようにそちらの支援も考えているだけど。まずはこの国での本格的な過ごし方や就職のしかたを教えてほしいのだけどいいかな。」


 この二日間で宗太と紗奈が解ったことと言えば、普段は少しいたずらっぽい表情が多いのに対して真剣なときは一片の冗談を交えないことであった。どちらが本当のファリシアルかと考えればきっとどちらも本当のファリシアルなんだろうと考えるが、見た目もあり切り替えた時のギャップに二人とも結構ドキッとしていた。

 今回の買い物で確かに少なくはない出費は発生したので経済支援は確かに嬉しい申し出だと紗奈は思った。

 しかしこれに関しては大いに問題がある。


「お兄ちゃん……」


「紗奈解ってるよ。ファル、配下たちの調査には僕もネットなどで手伝えることがあればやるけど、問題は経済支援の方かな。ファルのいた世界でも大方そうだったと思うしファルも違和感なく受け入れてたからわかると思うけど、物を買うには対価つまりはお金が必要なんだけど、これを稼ぐには自分の身分を証明するものが必要でね。このカードの提示が求められるんだ。」


 宗太はそう言って自分の財布の中からカードを取り出して見せた。このカードは魔法と科学の結晶であり、本人のありとあらゆる情報が詰め込まれている。通常は生まれた時に親が出生届を出し、その後カードの発行届を出せば貰えるもので、本人の血液登録がされているのでまず悪用ができない仕組みだ。しかも国際規格なので悪く言えば今のファリシアルは不法入国状態でありどこの国にも身元がないのだからこの件に関しては結構難しい状況だ。


「話しが少し逸れて、結構重大なことに気づいたかもしれないことだけどいいかな……」


 隣で考え事していた紗奈が青白い顔で少し怯えたようにおずおずと手を挙げて二人にに話しかけてくる。


「お兄ちゃん、もしかしてだけどファルの言ってる魔王の部下達って昔あった【コードピリオド】の事じゃないの?」


「…………マジか」

忙しいを理由にしてしまうと、自分に甘えがあると認めているようなものですが、

それでもと前に進み続けていきたい思って書いていきますので応援のほどよろしくお願いいたします。

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