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第4話


第4話


俺は地図通りに村の南の方向え高速で走って向かっていた。

鎧に砂風が当たり金属音と風をきる音がその場に響いていた。何度も力強く地面を蹴り進む。

途中に木の近くを通りる生い茂っている枝木が葉をばら撒いていた。


「ふぅ、ここら辺か?」

目的の岩場付近に着いたのか地図を見て確認する。確かにここで合っているようだ。

俺は静かに腰に付けていた剣を引き抜く。

剣身が鞘で擦れ金属音が聞こえる。


「いたな」

少し先に行った所に小さな岩場を見つけた。村人の言っていた通りに外に6体ぐらいのゴブリンが確認できる。3体は焚き火の近くで何やら話し合って。もう3体は近くで錆びれた片手剣を構えて警戒していた。


慣れた姿勢で俺は剣を構える。

「フッ」

力強く地面を蹴り出した。土が空中を舞う瞬間に俺はゴブリン達の所に走り込む。

「ブワァァァァ?」

首を傾げたゴブリンに向かって剣を突き刺す。身体の肉を剣が抉りながら斬り裂き大量の血潮を吹き出しながらゴブリンの肉片が辺りに飛び散った。


「リヤァァァァァァァ!?」

驚いた表情を浮かべた瞬間に、隣に居たゴブリンの首を剣が滑らかに切り落とす。大地の土と草が赤色に染まっていく。

「ワラァァァァァァァァ!」

叫び声を上げた後、俺に向かって錆びた剣を振りかざしてくる。

力強く剣を握りしめて、ゴブリンの持っている剣の奥を狙って剣戟を叩く。

キンッと金属の音が鳴ると同時にゴブリンの持っていた剣が宙に舞った。

その瞬間に目に恐怖を抱いていたゴブリンの口に剣を突き刺した。

剣を伝い、ゴブリンの魔族の血が手に流れてくる。手に血の暖かさが感じる。やはりこの暖かさが、どこか懐かしい。


「シャァァァアア!」

黄色く黄ばんだ牙を出しながら残り3体のゴブリン達が俺に一斉に向かってきた。俺もゴブリンに合わせて地面を蹴り進む。

俺を切ろうとしたゴブリンの手を肘から切り落とす。

ドスンと重たそうな音がして地面を汚す。赤くなっている地面に腕を見て泣き叫びながら悶え苦しんでいる。

俺は倒れ込んでいるゴブリンの顔目掛けて剣を突き刺す。剣先から大量に血潮が吹き出た。

それを無視して他のゴブリン達が俺に剣を振りかざす。すかさず俺はそれを避けてゴブリンの背後を取る。


「ツァァァァァ!?」

「死ね」

ゴブリンが頭をこちらに向けようとした瞬間に後ろから心臓に向かって剣を突き刺す。口から大量の血をゴブリンは吹き出した。

俺は剣を静かに抜き取ると同時にゴブリンの死体が地面に倒れ込んだ。


「あと一体か」

俺はゴブリンの死体を踏み潰しながら後退りしているゴブリンに距離を詰める。

グシャとゴブリンの小さな頭を踏み潰した音が鳴る。真っ赤に染まったグリーブを一歩一歩進んでいく。


「ヒィィィィィイイイ!」

ゴブリンはそう叫び死に物狂いで地面を蹴り進もうとしている。

目からは涙を流している。だか、躊躇なく距離を詰める。


「貴様に暗黒騎士ダークナイトカースいを」

ゴブリンに手を向けながらそう囁いた。

その瞬間にゴブリンの足元から邪悪な靄が身体を埋め尽くそうとしていた。

ゴブリンはもがきながらその靄を払おうと必死に腕を振る。どんどん靄が身体を埋め尽くしていくにつれ、ゴブリンの行動が遅くなっていた。

ゴブリンは靄が身体を埋め尽くすと身動きを一切しなくなった。


カースいの苦しみよ、その魂を解放しろ」

そう口ずさむとゴブリンにかかっていた靄が消え。全く動かず顔の全体から血を流しているゴブリンが地面に倒れていた。


「ふぅ、終わったか」

辺りを見渡すと先程までの小さな岩場ではなくなっていた。まるで家畜が魔族に食い散らかされた用に肉片が散らばっている。草木の先から大量の血が地面に流れ落ちている。


空間スペースよここに」

そう言って手を上から振り落とす。

すると、そこまで目の前にあった空間が急に消え。漆黒の空間がそこから開いていた。

俺はそこにゴブリンから剥ぎ取った魔血晶を入れ込んだ。再度、腕を振り上げると漆黒の空間が消え。今まであった空間が出てきた。


「よし、これでいいか」

先程、俺が使ったのは暗黒騎士ダークナイトだけが使える魔法。

空間という魔法だ。これは自分の好きなとこで暗黒騎士だけが開ける空間を呼び寄せる。そこに剣やお金。魔族の素材を入れてある。物を取り出すことも可能だ。便利だからここに来てからもよく使っている。


「それにしてもカースいは健在だな」

俺は何度も拳を握り確かめていた。

ゴブリンを覆っていた靄も俺の魔法だ。

これは、使った相手に死の痛みを与え続ける呪いの魔法。その魔法を使っている時に死ぬと想像した場合は魂ごとこの世から消滅させれる。暗黒騎士の中で恐れられていた魔法だ。


「リーダーはこの先か?」

岩場の近くに小さな洞窟が開いていた。

「これは村長の娘の血だ」

洞窟に入る道にゴブリンの血と違う、赤く透き通る綺麗な血が落ちていた。触れてみるが血は既に固まっていた。

やはりここに連れ去られているんだろう。結構時間が経っているみたいだ。


薄暗くジメジメしている洞窟を通っている。明かりがないが魔族の血のおかげで暗闇でも明るく見える。

ポツンポツンと天井から水滴が落ちている。

「どこにいる?」

辺りを見ても道は今歩いている所の一本だけ。

剣を握りしめながら進んでいく。

水滴の落ちる音がこだまして聞こえてくる。緊張感が高まってきた。


「ここは?」

広い入り組んだ場所に出ていた。

何本もの道がその場所から続いている。俺はおとなしく右側道を進んで行く。

進むにつれて先程までの綺麗な洞窟では無く。あちこちの壁に血の跡が付いている。道には動物の骨らしきものが散らばっていた。


「なんだこの匂い」

道を進むにつれて鼻をつんざくような匂いがする。

俺が足を出すと地面がピシャとなった。よく見てみると汚い血がそこら中に溜まっている。


「これは………」

俺は少し開いている場所に出た。

辺りを見るとそこには動物の死体が吊るしてあった。

死体を掻き分けて歩くと道端に無残な姿の人間の死体があった。


「酷いな」

その死体は身体の一部が腐敗していた。

服もズボンも一切身につけていない。

死体の近くに行くとその死体がよく見えた。

身体のあちこちに切り刻んだ傷があり。死体の腹は大きく切り裂かれていた。

ゴブリン達に遊ばれて殺されたんだろう。抵抗した傷があちこちにある。

だが、死んでから既に1週間は経っている。村長の娘ではないだろう。


その死体を後にして進んで行くと。奥の方から何かの声が聞こえてきた。

「や、やめて! お願いだから!」

若い女性の特徴的な高い声だ。

「いやぁぁぁぁぁ! 痛い! 痛い痛い! お父さん助けてぇぇぇええ!」

必死に叫ぶ声が洞窟をこだましていた。

俺は剣を構えて高速で地面を蹴る。

明かりが灯っている部屋が見えてきた。


部屋の前にはゴブリンが頬を緩めて面白げに笑ってた。そのゴブリン目掛けて剣を突き刺した。

「アギャャャャャ!?」

ゴブリンの体を貫通した剣を横に振り身体ごと切り裂いた。夥しい程の血が吹き出している。

血潮を浴びながら前に進んで行く。


「クッ! 下劣な事を」

部屋の真ん中に若い女性を裸で吊るし上げて、彼方此方に錆びた剣で肉を抉っていた。

女性の体には生々しい傷が大量にできており、身体から地面に向かって血が垂れ落ちていた。既に意識は無くなってグタッとしている。


「お前がリーダーだな?」

女性を囲っていたゴブリンの中で一際でかいゴブリンに向かって言う。

「キサマ、ミハリノヤツ、ドウシタ?」

首傾げながら言ってくる。

「それなら全部殺した。後はお前達だけだ!」

俺は剣を構えてゴブリン達に向けた。


「コロセ! ヤツオコロセ」

リーダーが大剣を振りかざすと、周りにいたゴブリンが一斉に俺に向かってきた。

俺も剣を力強く握りしめた。


「シャァァァァ! 」

ゴブリンが俺に斬りかかる。

俺はそれのゴブリンの首を瞬時に跳ねる。誰もがその剣戟を見えてはいなかった。

高速いや、神速の剣戟。


キッンと剣がぶつかり合い火花が出た瞬間にゴブリンの首が宙を待って血潮をばら撒く。血潮を浴びながら次々とゴブリンの首を撥ねとばす。

俺の鎧に魔族の血が速さで流れ落ちている。その落ちる速さよりも早く剣を振り下ろす。暗黒騎士にはゴブリンの動きがスローモーションで見ていた。


「後はお前だけだなぁ? ゴブリン・リーダー」

黒い鎧が紅く染まっていた。暗黒騎士ダークナイトと言うよりは地獄から這い出てきた悪魔の様だ。

「クソォォォ! ナラ、コノコブリン・リーダーガ、オマエオコロス!」

そう叫んで大剣を振り下ろしてくる。

「クッ」

それを綺麗に避ける。

元いた俺の場所が砂埃が宙に舞って、地面が深く抉れていた。


俺はもう1つの剣を抜き出す。

「死ね」

両手に持っている剣でリーダーに斬りかかる。

「ハァァァァッッッ」

リーダーはニヤリと笑い。二刀流の剣戟を大剣で受け止める。ものすごい爆音が洞窟内を震わせた。


暗黒騎士は兜の合間から落ちてくる汗を手の甲で払うと同時に力強く剣を握りしめてた。

「お前に少し本気を出すとはな」

そう言った瞬間に暗黒騎士の鎧を禍々しいオーラが纏う。先程とは比べ物にならない程の殺気が洞窟内を埋め尽くす。

「コ、コレハ!? キサママサカ暗黒騎士ダークナイト!?」

足元を竦ませて震える声で喋る。

「いや? 俺は駆け出しの冒険者だ」

ザンッと音が鳴ると暗黒騎士の姿が消えてゴブリン・リーダーの首が宙を舞っていた。


真っ赤に降り注いでいる血潮を浴びながら暗黒騎士は女性の方え歩き出す。

周りには血の水滴がゆっくりと地面に落ちている。暗黒騎士が力を緩めると禍々しいオーラが鎧から剥がれ、ザアァァと雨の様に血が降り注いだ。


俺は優しく女性を抱き抱えて、繋がれている鎖を切る。

腕の中に暖かい重みを感じる。


「まだ生きているな」

兜を外し、耳を胸に押し付ける。

ドクンッと何度も心音が聞こえた。

「この血を糧に! その者を癒したまえ!」

そう叫びながら自分の手を剣で切りつける。

血が流れ女性の身体に落ちると。女性は赤い光に包まれて身体の傷がみるみる治っていく。

皮膚と皮膚が繋がって女性の傷は一切無くなっていた。


「ふぅ、これで死にはしないだろう」

切れている手を押さえて血を止める。

女性の傷が回復したのはこの暗黒騎士の魔法のおかげだ。

ブラッドヒールし。自分のもしくは他人の血を糧に相手の傷を癒す魔法である。


空間スペース

俺は空間の魔法を使い。中からローブを取り出す。そのローブで女性の身体を包んだ。

忘れない様にゴブリン達の魔血晶を取り空間にしまい込む。


「よし、帰るか」

俺は空間の魔法を解除して兜を被り直して、女性をマントごと抱きかかえる。

「んん………」

女性は唸りながら瞼を少しずつ開いた。

「起きたか」

「? …………ここは?」

首を傾げて俺を見つめた後にキョロキョロと周りを見てる。

「えっ!? 私はゴブリン達に遊ばれていたはず………」

女性は顔を青くしてブルブル震えていた。

「もうゴブリンはいないよ。俺が殺した」

「貴方が助けてくれたの?」

首を傾げて少し震えながら聞いてくる。

「まぁ、そうなるな」

「ふふ、ありがとう」

煌めく金色の髪を流しながら、透き通る顔でにこやかな笑みを浮かべてきた。

「礼は俺では無く。親父に言うんだな」

「うん!」

そう言って女性は静かに目を閉じた。



お世話になってます! バナナアザラシです。


活動報告通り第4話更新できました!

いや〜戦闘の文章が下手と自分でもわかりますね。読みにくくなってるかもです!


次の5話か6話で新たなるメインキャラとなる人物が登場する予定です!

期待は…………しない方が良いかもです。作者のメンタルが持ちませんから。


読んでいただきありがとうございました!



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