プロローグ
第0章 世界の始まり
昔、地上に生命がいない頃。光の神と闇の神の2人の神様がいたそうだ。
2人は世界を支配するのはどちらにするのかを決める為に幾度なく勝負しました。
初めはジャンケンから始まり。どちらかが勝つと。また、勝負をして支配する神は決まりませんでした。
そこで、神は争いで解決しようとしました。
ですが、神々が争ってもどちらも傷つくどころか、世界が壊れるだけでした。
神々は思いつきました。命に限りがある生命を作り出し、それを争わせようと。
光の神は大地に人間、エルフ、ドワーフの三種の種族を作りました。
闇の神は地底にゴブリン、トロール、デーモンと沢山の魔族を作りました。
人類と魔族では、力の差があり過ぎました。
光の神はこのままでは負けると思い。勇者と言う、人類の力の枠を超えている物を作りました。
闇の神はこれに対抗して魔王と言う、魔族の力の枠を超えている物を作りました。
しかし、それでは争いは終わりません。
そこで神々は相談しました。
この世界に8個の迷宮を作り、その守護者を倒せれば光の神の勝ち。
その守護者を倒せず1000年経った場合は闇の神の勝ち。
このルールを2人の神々は守ると近いました。
この迷宮を巡り、沢山の冒険者が現れました。
沢山の財宝を狙うもの。力を求める物。楽しむ物。
そのまま800年が過ぎました。
未だに、迷宮の守護者は半分しか倒せてはいませんでした。
残りの200年、冒険者は迷宮を全て突破できるか、光の神は心配になりました。
心配になった光の神は、別世界から転生者と言う物を連れてきました。
勇者とは違い。ある一定の力を与えるだけで、人類の枠を超える力をつけました。
幾度なく転生者をこの世界に連れてきました。
ですが、転生者は冒険者になるとは限りませんでした。
力に恐怖し、森の奥に隠る者。
力に溺れ、闇に走る者。
力を忘れ、平凡の生活を送る者。
光の神は負けると確信して、世界を見守るのをやめました。
闇の神は勝つのを確信して、世界を見守るのをやめました。
そんな時、1人の冒険者が現れました。
勇者でも、転生者でも無い彼に誰も期待はしなかったでしょう。
彼がこの世界の運命を決める事を………
第1章 運命の始まり
真っ赤に染まる大地。この世とは思えない場所に俺は立っていた。
手には、赤黒い血の付いた剣を握りしめていた。
辺り一面には、頭だけが無い魔族の死体が無造作に落ちている。
「貴様! 裏切るのか!?」
魔族たちの声がよく響く。
立っていた俺を斬ろうとした魔族の首が宙を舞う。血潮を浴びながら、魔族の群れに走り込んだ。
「殺せ! 奴の首を斬り落とせ!」
そう言った瞬間に魔族の首が地面に落ちた。
「「「騎士団長!?」」」
声をかけた奴らの首も同じく地面に落ちる。
切れた首の先から、大量の血潮が真上に吹き出した。まるで噴水のように。
「ヒィ! く、くるな!」
後ずさる魔族に、落ちている剣を足に向かって投げ捨てた。
「ヒャァァァァァッ! あ、足が………俺の足が!?」
魔族の脹脛の肉と骨を貫通して、剣が突き刺さっている。
狂った様に断末魔を上げながら、剣を抜こうとするが、剣は柄の部分まで肉の奥に食い込んいて、取ろうとすると苦痛だけが襲う。
「こ、殺さないー」
魔族が口にしようとする前に首を斬り落とす。
足元に大量の血の水溜りができていた。
「貴様も魔族の端くれだろ、暗黒騎士!」
「いいや。俺は…………冒険者だ」
そう言って、目の前の魔族を斬り殺す。
頭から魔族の血潮を浴びこんだ。
真っ黒だった鎧は、あちこちに血肉が付いていて、真っ赤に染まっていた。
「覚悟はいいか!同志!」
「「「「ウォォオォォォ!」」」」
俺に向かって、後ろにいた魔族の群れが一斉に駆け出してきた。
仲間に悔いる様な顔をして、死体の山を越えている。
俺は、前から来る群れに向かって剣を構える。
次の瞬間、地面を力強く蹴り出した。漆黒の鎧についている血が速さで流れ落ちる。
「アギャァァ!」
剣を構えている魔族の手を斬り落とした。手を押さえながら魔族は地面を悶え苦しんでいる。
斜めに来た剣戟を滑らかに流し、一回転をして、首を跳ねる。
後ろから飛び上がりながら斬ろうとした魔族と同じ位置に地面を強く蹴り上がり、魔族の心臓を目掛けて剣を射し込んだ。魔族の身体が宙を舞うのと同時に魔族の持っていた剣を地面にいる魔族の頭に向かって蹴り飛ばす。
着地時に腕を切られて悶え苦しんでいる奴の腹に向かって剣を突き刺した。
兜の間から魔族の血が入り込んだ。
禍々しい臭いと、吐きそうになる血の味。
「殺せ! 必ず殺せ!」
100近くの魔族が向かって来ていた。
魔族の口から剣を出しているのを引き抜いた。血肉と顎の下骨が一緒に抜けた。
汚物を払い落とし二本の剣を構える。
二刀流の剣が肉を切り裂き、血飛沫を刎ねあげた。
騎士のスピードはどんどん上がっていく。
剣を引き抜く前に魔族の首が吹き飛んでいる。
切りかかったものは両腕を切断され頭を斬り落とされた。血潮が真上に上がる中を駆け抜ける。
この時、魔族の誰もが思った。この暗黒騎士は魔族よりも魔族らしいと。
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騎士は、落ちている魔族の死体から鞘を抜き取り、もう1つの剣をしまい込んだ。
それを腰に括り付け、持っていた自分の剣を逆側の腰の鞘にしまい込む。
ずれている兜を直し、足を前に突き出した。
グシャグシャと音がなる。足元には大体500体近くの魔族の死体が落ちていた。
容赦無く騎士は進んで行く。
騎士は死体の山を歩いて、1つの扉の前に辿り着いた。
静かに扉を開けると、今までは見たこともない様な日の光。白く輝く雲。青く透き通る空を見上げると、近くには雲の高さまである山があった。
騎士は天に拳を向けながら囁いた。
「これから俺は冒険者だ」
初めまして! バナナアザラシです。
バナナの皮を被ったアザラシです。
『暗黒騎士で冒険者』は不定期更新になります。
月に1回の更新になる時もあれば、更新しない時もあります。それでも、忘れずに覚えてもらえると嬉しいです。
これからよろしくお願いします!