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先生始めました。by勇者  作者: 雨音緋色
勇者、教育する。
79/110

8-9

翌日。

準備として設けられた1日を、生徒達はそれぞれの過ごし方をしていた。

とはいえ、大まかに分けると買い物組、休養組、訓練組となっている。そしてナツメは訓練組と共に行動しており、仮設訓練所では1日早く訪英したセルベリア監修の元、ミリアムとナツメの実戦演習が行われていた。


「ミリィ‼︎そこは魔力をもっと加えて‼︎」


「はいっ‼︎」


「左がガラ空きだ‼︎『風魔連弾ウインドバレッド』‼︎」


「くぅ…はいっ‼︎」


ナツメとセルベリアに指導されるのは、相当苦しいのであろう。余り表に疲れを見せない彼女が、膝をつき肩で息をし始めたのを見計らい、ナツメは一時休憩を取る。だが、それはミリアムに対してであり、ナツメ自身は休まず、次々と襲いかかってくる生徒と実戦演習を繰り返す。


「今度はぐうたら系痴女桜か‼︎」


「痴女は認めるけど今日のぐうたら族のトップは鈴姉やで‼︎ウチは今日はただの痴女やっ‼︎」


「生徒に戻ってくれ‼︎痴女から卒業しろ‼︎」


言葉を交わしながら、次々と魔法を放っては相殺しあう。その為、逃げ場を失った魔力のエネルギーはどんどんその数を増やしていき、その度に仮設訓練所を揺らしていた。


「やるじゃないか‼︎更に行くぞっ‼︎」


「まだまだ余裕やっ‼︎」


更に打ち合いは激しくなり、相殺の瞬間に聞こえる破裂音が連続して鳴り響く。その勢いは先程の比にはならない程の早さを持っており、音に遅れてコンマ数秒後に衝撃波が周囲を襲った。


「これも全て潰すか…では次だ‼︎」


「ちょ…っまだ増やす気⁈」


ナツメの背後には様々な属性魔法を放つ為の魔力源が浮き上がり、それぞれが活発化する。その属性に合わせ桜も五行思想魔法を展開していくが…


「流石に間に合わんわ…きゃぁぁぁっ‼︎」


「まだだ‼︎諦めんなぁぁぁぁッ‼︎」


「熱い‼︎先生熱いって‼︎2つの意味で‼︎」


「もっと熱くなれよ‼︎」


「凛音っ面白がって乱入しないで⁈」


いきなり凛音がナツメと桜の訓練に乱入し、魔法を放つ。火魔法をまともに食らった桜は必死に水魔法で相剋させては怒り始めてた。だが、それを見たナツメは更に追い討ちをかけるかの様に氷魔法を放ち、桜を凍え震わせては凛音が熱しと繰り返していた。結果。


「鈴姉‼︎楓姉‼︎助けて‼︎」


「はい。」


「シュシュッと参上〜。」


「それ以上は行けませんよ姉さん。」


「わかってるわよ〜。では、呼びかけに応じて」


「合体魔法でも。」


「「「『表裏・暴虐無人』‼︎」」」


「何その必殺技みたいなノリ‼︎」


何処からともなく現れた鈴蘭、楓が混ざり、3人の合わせ技を放つ。その魔法の強さを知っているナツメは一目散に回避し、凛音は呆気に取られながらナツメに続く。その2人を追いかける魔法の奔流は、呆れたセルベリアによって文字通り霧散させられた。


「凛音、鈴蘭、楓。後で私が相手してあげますから大人しくしてなさい。なんなら、今すぐでも良いですが。」


「「「ご、ごめんなさい…。」」」


「ナツメ、貴方も真面目にやらないならミリィの介抱に専念して貰いますよ?」


「すみません…。」


説教をうけた一同は頭を下げながら各々の元の位置に戻りそれぞれの行動を再開した。



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