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先生始めました。by勇者  作者: 雨音緋色
勇者、指導する。
12/110

2-4

昼食を終え昼休みをのんびり過ごそうと学内にある庭園に向かう。

ここには菜園があったり、魔力を一時的に飛躍させたり回復したりする薬品の触媒となる花が育てられたりしている。

その管理を行っているのは当たり前と言うべきか、意外と言うべきかミシェルが行っていた。


「あら、ナツメ先生こんな所でお散歩?」


「ええ、ミシェル先生はお仕事ですか?」


「そうよー。実験の為に私用で作ってる分もあるからねぇ。」


そう言って一際大きく咲いている花を手に取り、魔力を込めと、その花はキラキラと煌めき始めた。

それを見てミシェルは花を根から引き抜き、空へと投げる。

その様子にポカーンと口を開けて見ていたナツメの頭を無理矢理抑えミシェルが屈むと


バリバリバリッ‼︎‼︎


まるで落雷でも起きたかの様な爆音が響き、遅れて数秒後に小さな種が辺り一面に散らばり始めた。


「この花は爆裂草って言って魔力を与えると物凄い勢いで種をばら撒くの。危険な花だけど量産しやすい上に高火力な物だから軍用への改良化も考えられてるのよ。」


自身に降りかかった種を振り払いつつミシェルは笑顔で言う。

しかし、こんな危険な物を何の躊躇いもなく扱い始めたミシェルに呆れながら


「つ、次は一言教えてくださいね。」


と、同様に振り払いながら立ち上がった。

その後、庭園にある他の花を色々教えてもらいながら回っていると、授業開始5分前のチャイムがなったので


「ではこの辺でお別れしましょう。また今度ね。」


と、ミシェルは職員室に向かったのでナツメも訓練所へとテレポートを使った。


訓練所に着くと既に竜三は準備しており、Dクラスの生徒もちらほら準備している姿が見られた。


「さて、Dクラスですが…見たところほぼ全員系統持ちですね。」


手にした生徒の資料と辺りで好き放題暴れている実際の生徒を見て回り、竜三はある種安堵のため息をつく。

それもそのはず。ここまで既に二人の規格外を発見してしまったので、嬉しい反面驚きで疲弊していた。

そしてその安堵は概ね正解で、Dクラスの生徒はほぼ全員普通に使っている魔法の系統で登録された。


ただ一人を除いて。


「次、御堂さん。」


竜三の呼び声に桜は気だるそうにしながら診断を開始する。すると


「…あれ、御堂さんって五行思想がメインだよね。」


「そうですよ。知っての通りウチは御堂家ですし。」


「だよね。けどおかしいな…。出ている適正が五行思想じゃない。というより、『五行思想と4大元素全てが適正として出ている』。」


「なっ…嘘ですよね?」


竜三の言葉に驚く桜。しかし、竜三の言う通り系統を示す水晶には合計14種類の現象を映し出していた。


「火水風土木火土金水。被っている火と水を除いて残りの全てとその表裏。全てにおいて著しく適正を見せている。ナツメさん以上の魔法適正力だよ。」


その言葉にナツメも驚く。

超越魔法程の驚きではないものの、どの魔法に対しても適正を見せるという事は混合魔法や究極魔法に対しても適正があり、対応力としては十分過ぎる力になる。

実際、ナツメもその対応力を武器に魔王軍と戦い抜いている為、それがいかに力強い事なのかを理解していた。


「いいところにナツメさんの一番弟子候補が出来ましたね。教わっておいで。」


その言葉に少しむず痒い表情で桜が駈け出す。

そのまま、すぐには言い出せずちらちらナツメを見つめていると


「御堂、俺の背中を追ってみたいか?」


と、ナツメは優しく笑顔で桜に問いかける。

すると、その問いが嬉しかったのか満面の笑みで頷き


「ウチが先生を超えるから‼︎」


と、本人もいつぶりかわからない程の笑顔で答えた。

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