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女神降臨Ⅱ  作者: 塔子
46/69

【46】

騒然とする診療所。


当然だ、『魔獣』がやって来たのだから…。


こうなる事は分かっていた。でも、女王陛下の手前騒ぎ立て逃げ惑う事も出来ないって所かな。


そして、奥には病室。


先日、ロイさんがシュカの力で、城を攻めた時に負傷した人達が治療中のはず。


シュカの姿を見た途端、真っ青になり恐怖に震える者も。


ここで、失敗なんて出来ない!


大きく息を吸って、ゆっくり吐く。


目を閉じて、手のひらに気を集中する。周囲から驚きの声が上がる。


私の手のひらには、青き再生の炎が燃えている。


私は怪我をした人の側まで行き「大丈夫だから」と言葉を掛け傷に炎を当てる。


傷は、跡形も無く消えてしまった。


動かす事すら出来なかった傷があったかなんて嘘のよう。


誰もが、何かに化かされているんじゃないかっていう顔をしている。


私は言う。



「これが、このシュカの力です。破壊の力もある。でも、再生の力もある。正しく使いさえすれば…」



私は、アトレイシアの前に立つ。



「お願いです。改めて、シュカの事を私に任せてくれませんか?」

「…そうね、今は他に頼める者も居ないでしょう。コウに託します。良き方向へ進む事を願うわ」



アトレイシアは、少し複雑な表情でシュカを見つめていた。


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