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女神降臨Ⅱ  作者: 塔子
37/69

【37】


私の部屋には『魔獣』が居る。


獣姿で部屋の隅で目を閉じて眠っている…?


『魔獣』を封印出来るのは、大巫女のみ。


その大巫女は、今はまだ居ない。


“私が預かる”なんて宣言したからには――。



「ねぇ…」



私は『魔獣』に声を掛ける。



「………」



予想通り、返事は無し。


でも耳はピンっと立って、こっちを向いている。


だから聞いている、聞こえていると思う事にして、もう一度声を掛ける。



「ねぇ“死”が無いのは、まぁ、理解出来ない事もないけど“生”も無いってどういう事?」

「………」



やっぱり、返事は無し。でも続ける。



「生きてないって事はないでしょう?だって、こうしてここに居るんだし」

「………」



ふぅっと息を吐く。



「ねぇ、“契約者”になるにはどうすればいいの?」

「………」

「――何を訊いても、無駄なの…?」



何も答えてくれない『魔獣』。


もしかして、本当に眠っていたりする?


仕方なく、ベッドの上にある毛布を取る。


私は『魔獣』にそっと掛けて上げた。


黄赤色の瞳が薄く開く。



「あ、ごめん、起こしてしまった?」

「――何だ?これは?」

「え?これって“毛布”だけど…」

「………」



折角、掛けて上げたのに、毛布をバサっと落として立ち上がって行く。


私は毛布を拾ってベドに戻す。



「最初の男は“声”」



え?突然、何の話?



「アルスとかいう男は“心”」



だから、何の話なのよ?



「我に与えよ、我の望むものを。さすれば、契約は成立だ」

「え?――で、何が欲しいの?」

「この世の生まれるもの全てが持つものを我に」

「?――何それ?」

「分からなければ、それはそれでいい」

「うっ…!!」



何なのよ~!!なぞなぞ?クイズ?



意味が分かんない!!


もう、嫌になる!!


だって、全然分かんないんだもん!!



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